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映画ノート

マーティン/呪われた吸血少年


1977年(米)監督:ジョージ・A・ロメロ出演:ジョン・アンプラスリンカーン・マーゼル/クリスティーン・フォレスト/エレイン・ナデュートム・サヴィーニ/サラ・ヴィネイブル/ジョージ・A・ロメロ【ストーリー】ピッツバーグにやって来た青年マーティンを、叔父のクーダという老人が出迎えた。老人は、この街で面倒を起こすな、とマーティンに釘をさす。実は彼は、血を浴びなければ生きられない、吸血鬼の一族だったのだ……。

ハロウィン・ホラー祭り 14本目! 悲しき吸血鬼青年『マーティン』

■感想
今日からまた少しヴァンパイアものを。

しょっぱなはジョージ・A・ロメロが『ゾンビ』の前年に撮った作品です。

主人公のマーティン(ジョン・アンブラス)は叔父と暮らすことになり、列車でピッツバーグにやってきます。
ところが車内、マーティンはひとりの女性を殺害。ナイフで腕を斬り、流れ落ちる血を吸い始める!
そう、彼は吸血鬼!!?



なんとも衝撃的な作品です。
マーティンを駅で出迎える叔父のクーダ(リンカーン・マーゼル)という老人は、マーティンを迎えつつも
家にはにんにくをぶら下げ、十字架を飾り‥
吸血鬼であるマーテインを滅ぼす!と宣言するんですね。





でもマーティンはにんにくも十字架も大丈夫。
昼間も普通に出歩くことが出来るし、鏡にその姿も映る。
それでも人を殺し血を求めるマーティン。
モノクロ映像でかなり古い時代に村人に追われるマーティンの姿が映し出され
吸血鬼としてのマーティンの過去の記憶がフラッシュバックされるのですが‥

マーティンは本当に吸血鬼??

おそらくロメロはマーティンを吸血鬼として描くという斬新な手法で
心を病んだ青年の孤独と彼を受け入れない世間の姿を描こうとしたんでしょうね。

自分は人とは違う‥。
マーティンが唯一悩みを打ち明けるのはラジオ番組。でも結局誰も彼を理解することはない
その孤独だけがポッカリと浮かび上がります。

最後まで叔父に吸血鬼として扱われたマーティン
彼を救う手だてはなかったのか
観終えたときには切なさでいっぱいになりました。

ロメロ自身も神父役で出てますね。



★★★★☆