しまんちゅシネマ

映画ノート

ディファイアンス


バスターズと一緒にKill Nazis!5本目 『ディファイアンス

2008年(米)監督:エドワード・ズウィック出演:ダニエル・クレイグリーヴ・シュレイバージェイミー・ベルアレクサ・ダヴァロス/アラン・コーデュナー   マーク・フォイアスタイン/トマス・アラナ/ジョディ・メイ/ケイト・フェイ/イド・ゴールドバーグ   イーベン・ヤイレ/マーティン・ハンコック/ラヴィル・イシアノフ/ジョージ・マッケイ
■感想
今日も「ナチスによるユダヤ人迫害を描いた作品」。
第二次世界大戦下、ナチスユダヤ人狩りが迫る東欧ベラルーシで、迫害を逃れ抵抗活動を行った実在したユダヤ人兄弟の
活躍を描いた作品。
これまでのやられっぱなしのユダヤ人迫害ものとはひと味違った反撃のアクション映画でもあります。

本作で舞台となるのは東欧のバラルーシ。恥ずかしながらこの国のことは何も知りませんでしたが
戦争を経て現在はソ連ベラルーシ共和国として存在する国。
その南にあるウクライナチェルノブイリ原発事故により多大な被害を被ったところでもあります。

1941年、ドイツ軍に侵攻され、ナチス親衛隊と地元警察によってユダヤ人狩りが始まったベラルーシ
両親を殺されたユダヤ一家のビエルスキ兄弟は森の中へ逃げ込みます。
そうする内に彼らのもとに村から逃げてきたユダヤ人が集まることになり、
兄弟の長男をリーダーにしたコミュニティを形成していくんですね。
森に潜みながら生き延びる術を探り、兄弟で意見の対立はありながらも
結果的に多くのユダヤ人を救うことになるというお話。

歴史的に殆ど知られていない兄弟のお話で、どこまで史実に則したものなのかは分りません。

動物のように追われる身ではあっても獣になるべからずとして、順番制で村に食料を請いにいく形をとる中、
飢えと寒さにより仲間内の争いが勃発もするし、人間としての威厳を保つことの難しさも感じます。

とは言え、兄弟の長男が『007』のダニエル・クレイグ、次男が『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』で
ビクターを演じたリーヴ・シュレイバー、監督が『ラストサムライ』のエドワード・ズウィックですから
終盤は迫力のアクション映画となっていきます。
温厚で信望を集めていくダニエルもいいですが、最後の最後に大暴れするビクター‥もとい次男ズシュの活躍には
思わずヒューっと拍手をおくりたくなりましたよ。

頼りなかった3男を演じたジェイミー・ベルがたくましく成長していく様子も良し。
ユダヤ人迫害を描く戦争映画ですが、ヒューマンな要素の強い作品でした。

★★★★☆