水の中のナイフ
1962年(ポーランド)監督:ロマン・ポランスキー出演:レオン・ニェムチック/ヨランタ・ウメッカ/ジグムント・マラノウッツ■感想
ポランスキー監督 保釈記念!
ポランスキー監督は12/4に、とりあえず保釈金を払って、刑務所を出ることが出来ましたね。ただしまだ完全に自由の身になった訳ではなく、スイスの家から外に出ることは許可されてないのだとか。
76歳というお歳で31年前の罪に問われるのはお気の毒だけど、ちゃんと罪を償ってなかったのなら仕方ない。。
冒頭、やたら小さな車に乗った男女。
車が揺れると肩が触れ合う、そこに小さな衝突を感じさせる
車が揺れると肩が触れ合う、そこに小さな衝突を感じさせる
出演者はこの3人のみ!
夫婦はどうやら知識階級のお金持ち。青年はしがない貧乏学生。
なぜかヨットに一緒に乗ることになってしまったものの
アンジェイの命令口調に次第に青年はいらだちを感じ始め
飛び出すナイフ(って、もっとカッコいい呼び名があるんだろうけどw)を取り出して、不機嫌をアピール
この時点で嫌な予感。何か起こるんじゃない?
そもそもこの映画、青年の死という事件に至るサスペンスが描かれる予定だったとか
でもストーリーを変更、たった一日の出来事にしたらしいですね。
で、どんな事件が起こるかは見てのお楽しみ。
でもストーリーを変更、たった一日の出来事にしたらしいですね。
で、どんな事件が起こるかは見てのお楽しみ。
『水の中のナイフ』っていうのは、何を意味してるんだろう。
揺れる夫婦の中に飛び込んだキラキラ光るナイフって感じかしら。
揺れる夫婦の中に飛び込んだキラキラ光るナイフって感じかしら。
青年の存在は、結果的に倦怠期の夫婦に新鮮な変化をもたらしたのではないかな。
妻はきっと夫の本質を見直したんじゃない? ちょっぴり罪悪感を感じながら・・・。
妻はきっと夫の本質を見直したんじゃない? ちょっぴり罪悪感を感じながら・・・。
観る者も一緒にヨットに乗っているように感じるようなカメラワーク
湖の岸辺、背の高い草をかきわけながら進むシーン、人物のアップなど
古い作品なのに映像が斬新で美しいですね。
平坦なストーリーにヨットを巧みに扱う躍動感もいいスパイスになってました。
湖の岸辺、背の高い草をかきわけながら進むシーン、人物のアップなど
古い作品なのに映像が斬新で美しいですね。
平坦なストーリーにヨットを巧みに扱う躍動感もいいスパイスになってました。
ちなみに青年の役は監督自身が演じたかったらしいのだけど、魅力に欠けるとして制作側から却下されたらしいw
替わりに青年を演じたジグムント・マラノウッツはちょっとユアン・マクレガー似のハンサム君。
でも声が気に入らないとして、後に監督自身の声に吹き替えられてます(笑)
何も起きなくて退屈なのかなと思いきや、若く美しい青年に嫉妬や優越感を感じる夫と
裕福な大人へのねたみやいらだちを募らせる青年の関係は緊迫感があったし
奇麗な若い子に傾きかける妻の気持ちも分からないではないしでw
それぞれの心理描写も楽しめる、力を持った作品で面白かったですよ。
裕福な大人へのねたみやいらだちを募らせる青年の関係は緊迫感があったし
奇麗な若い子に傾きかける妻の気持ちも分からないではないしでw
それぞれの心理描写も楽しめる、力を持った作品で面白かったですよ。
★★★★☆