しまんちゅシネマ

映画ノート

かいじゅうたちのいるところ


2009年(米)監督:スパイク・ジョーンズ出演:マックス・レコーズ/キャサリン・キーナー/マーク・ラファロ
■感想
ただいま~。ダラスに帰ってようやく普通の生活に戻りました。
明日は雪になるらしい。真夏生活から真冬生活に逆戻りだよ~ん。


で、今日は機内で観た一本いっときます。

原作はベストセラーの絵本だと聞いていたので、
児童書を『マルコヴィッチの穴』のスパイク・ジョーンズ監督がどう描くのか
観るのを楽しみにしてました。

冒頭、ウォーーーっ!と叫びながら犬を追いかけ、タックをかますのが主人公のマックスくん。
わんちゃん災難だわ。

ママは忙しくしてるし、歳の離れたお姉ちゃんも一緒に遊んでくれない。
彼の大事に思うことを誰も分ってくれないから、着ぐるみを着て暴れる(笑)

おまえがかいじゅうか?!
なのだけど^^; どうにもこうにも止まらない。

そんなある日、ママと喧嘩して家を飛び出したマックスは海を渡り、ある島に辿り着きます。
そこにはなんと見たことのないかいじゅうたちが!

てっきりかいじゅうは一頭(?w)だと思ったら色々いたのね。
それぞれ性格の違うかいじゅうたちが、何かと問題を抱えてる。
かいじゅうたちはマックスの心を映すものなのでしょうか。

結局マックスには何もできないのだけど、かいじゅうたちと一緒に過ごしながら
彼はちょっぴり成長するんですよね。

印象的だったのは、一人のかいじゅうが他の子の頭を踏んでしまって、お返しに自分を踏んでと地面に横になるシーン
結局喧嘩の相手には無視されたのだけど、マックスは替わりにそっとかいじゅうのおでこを踏んであげます。
その小さな優しさがたまらなく可愛いのだけど、
彼自身悪い時には突き放すのではなく叱って欲しいから、かいじゅうの気持ちがわかるんでしょうね。
彼自身本当は謝りたいし、その気持ちも分って欲しいんだろうな。そんなことを感じジーンとしました。



かいじゅうたちに共感したり自分自身を重ねハッとしたり、何かを感じるマックスはとても可愛らしい。
子供らしい子供というのかな。演技とは思えない自然さには驚くばかりです。
かいじゅたちの声もなんと豪華なメンバーが当ててたんですね。気付かなかった^^;

個人的には、かいじゅたちのいざこざが少々助長だと感じたのだけど
子供はありのままの自分と向き合うことになるだろうし、
音楽やちょっぴりスモーキーな色彩の映像も、どこかノスタルジックで、
大人は子供の頃の自分を懐かしく思うはず。

かいじゅうとの出会いによって、マックスは心の中のかいじゅうに向き合い、受け入れ
そしてそっと別れを告げる。
そんなマックスをママ(キャサリン・キーナーもステキ!)は優しい微笑みで包んでくれるのよね。
愛おしい映画でした。大きな画面で観直さなくっちゃ。



★★★★☆