しまんちゅシネマ

映画ノート

ダレン・シャン


2009年(米)監督:ポール・ワイツ出演:クリス・マッソグリア/ジョシュ・ハッチャーソン/ジョン・C・ライリー/ジェシカ・カールソン/渡辺謙   レイ・スティーヴンソンパトリック・フュジットウィレム・デフォーサルマ・ハエック/マイケル・セルヴェリス
■感想
アメリカン・パイ』『アバウト・ア・ボーイ』のポール・ワイツ監督が描くヴァンパイアものファンタジーです。
渡辺謙さんが出るらしいというので観ました。

ジョン・C・ライリーが演じるのは長い年月ヴァンパイアとして生きているラーテン
彼は血はいただくけれど、人は殺さないヴァンパイアで、今はひっそりと
フリークショーの団体と興行旅行をする日々を送っている。

タイトルにもなってるダレン・シャンクリス・マッソグリア)は蜘蛛を愛する普通の高校生
ダレンはある日友達のスティーヴと一緒にフリークショーを見に行くが、
そこでラーテンの操る毒蜘蛛に魅せられ楽屋から盗み出してしまう。
ところがその蜘蛛に友人スティーヴが噛まれ昏睡状態に。
解毒剤を求め、ラーテンの元を訪ねるダレンは、交換条件としてハーフ・ヴァンパイアとして
ヴァンパイアのアシスタントとなることを受け入れる。。

ファンタジーですから、そのあり得ない設定はいいとして
これってコメディなのかな?そのテイストがイマイチわかりにくい。

コメディと考えるならダレン・シャンの友人スティーヴを演じるジョシュ・ハッチャーソンが中途半端。
家庭に恵まれず、生きることに価値を見いだせないでいたステイーヴは、憧れのヴァンパイアになることを望む。
ラーテンに断られ、結局はバンパニーズに認められ、邪悪な存在に。
内に怒りや悲しみを秘めた役をジョシュ君が真面目に演じちゃってて、可愛げが無いんですよ。
こういう映画って、悪役があまりに悪役すぎてもしらけるというか、どこかにご愛嬌がないとなぁ。
彼は『テラビシアの橋』などで演じた子役からの俳優だけど、随分大きくなったもんです。

若者の葛藤をメインに描きたかったとしたら、これはティーンズムービーの位置づけかな。
だとするとスティーヴの描き方もありだとは思います。元は児童書のようですしね。

キャストとしては
ジョン・C・ライリーは争いを好まずニュートラルな生き方をしてきたヴァンパイア
孤独でシニカルだけど、実は心優しいという役で悪くないです。
フリークショーのメンバーとしてサルマ・ハエックがヒゲのある女に
バンパイアの仲間にウィレム・デフォーが登場するけど、彼らの位置づけはちょっと中途半端

個人的に好きだったのは『ロードオブ~』のゴラム似のちょっと邪悪な小さな人たち。
どうしてそんな姿になってるのかを含め、唯一しっかりと役割を果たしていたような。

渡辺謙さんはフリークショーの一座を率いるトールマンという大きい人
信頼に厚い人柄で、台詞も結構あるし、それなりに頑張ってるけど、衣装も謎の中国人風?謙さんじゃなくてもなぁ。
第一パッと見、物まね芸人が演じる谷村新司に見えたしねw



特殊映像なんかも別に悪くないけど、期待した面白さは感じなかったのが残念でした。

100年の沈黙を破り、バトルが始まるぞというところで終ってるとこみると、これは続編がありそう。
ダレン・シャンが活躍するのはこれからなのかな。『トワイライト』的なものを目指してるのかも~。

3/19からの公開

で今日からヴァンパイア3本勝負です

★★★*☆