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映画ノート

ヴィクトリア女王 世紀の愛



■感想
イギリス史上最も繁栄した時代を築いたヴィクトリア女王(1819~1901)と、女王を支えた夫アルバートとの愛の奇跡を描く歴史ドラマです。
若き日のヴィクトリア女王を演じるのは『ウルフマン』のヒロインエミリー・ブラント
『ウルフマン』の舞台となったのもヴィクトリア朝後期でした。
 
19世紀のイギリス。
ウィリアム国王に子供がなかったことから、姪にあたるヴィクトリアは筆頭の王位継承者となりました。
国王が病に倒れると、女王となるヴィクトリアをものにしようと、権力争いが激化。
ヴィクトリアの夫となったアルバートも最初は権力争いから差し向けられた一人だったんですね。
映画はアルバートとの出会いから、文通を通じて心を通わせ、やがて結婚に至る様子が描かれます。
王位継承者として育ってきたヴィクトリアの周りには権力争いや嘘が溢れ、
実の母親とも確執があったんですね。一国を統治する者の厳しい定め。孤独です。
そんなヴィクトリアが、正直で純粋で、ちょっとおっとり系のアルバートに惹かれていったのも
分かる気がしました。

エミリー・ブラントは凛として気高く、美しいヴィクトリアを好演。
首から肩のラインが美しい彼女はこの時代のドレス姿がさまになって、クラシカルな作品にも映えますね。
アルバート役のルパート・フレンドも素敵。
困難を乗り越えて絆を深めた二人は、後に史上最高のカップルと言われるほど素敵な夫婦だったよう。
映画は愛の頂点にある二人の姿で終わるのだけど、エンドクレッジットには、
結婚20年でアルバートが42歳で病死したことなどが添えられます。
ヴィクトリア女王はそれから喪服を着続けたんですね。

歴史ものとして、国民の反応や政治のことなどはあっさりめに描かれてるので
そういうのを求めると物足りないかもですが
イギリス王室のお話にしてはドロドロ感もさほどなく、ピュアなロマンスを楽しめました。
アカデミー、衣装デザイン賞受賞のドレスたちも素敵だし、ヴィクトリア王朝の装飾、美しい庭など
目を楽しませてくれる作品でもありますね。