しまんちゅシネマ

映画ノート

ウルフマン



■感想
ゴージャスな映画館で観てきたよ(笑)
集中を欠く映画館で、これをチョイスしたのは正解でした。
1941年の映画『狼男』のリメイクということらしいけど、残念ながらオリジナルは未見。
でも、狼人間に襲われ、徐々に狼に変化し人を襲うようになるというのはお約束でしょうか。
 
今回狼男になってしまうのがベニチオ・デル・トロ
そもそも彼は狼顔だから、変身途中もどこまでCGかわからないのがいいよね
変身シーンや、残酷な襲撃シーンの映像も良いし、満月に照らし出されるロンドンも美しく
ゴシックホラーとして見栄えのする作品でした。

狼男というのはライバルのドラキュラと違って、獣の姿になるわけで・・
しかも理性をなくし、愛する人間も獰猛に殺してしまうというのは耐えられない苦痛なはず
デル・トロも狼男としての苦悩を上手く演じていました。

ただ個人的に物足りなかったのはロマンス部分。
 兄の婚約者グエン(エミリー・ブラント)に徐々に魅かれ、正気のうちにグエンを遠ざけようとするローレンス。
でも二人が想いを募らせていく様子があまり描かれないままにストーリーが展開するから
切なさ半減で胸キュンに至らなかったのは残念でした。
 
映像は全般に良かったのだけど、
森や屋根を失踪する狼男の映像には、もう少し重量感が欲しかったかな。
狼男を追う警部を演じたヒューゴ・ウィーヴィングの誠実かつ執拗な感じは素敵でした
 
狼男に襲われる村に広がる呪いの伝説、狼男を精神的な病気として捉える医者たちなど
「脅威」に対する考えがさまざまなのは興味深いところだったし
エルフマンの音楽や映像などゴシックな雰囲気を楽める映画でした。