しまんちゅシネマ

映画ノート

みんな元気



■感想
映画で妄想 世界の旅!4本目
 
ロバート・デ・ニーロ演じるフランクは60代初老のおやじ
妻を亡くして初めての休暇。準備万端整え、子供たちの帰省を待っていたのに
都会に暮らす子供たちはそれぞれに用事ができ帰れなくなったと連絡が入る。
落胆したフランクは、自ら子供たちに会いに行くことを決心!
 
ってことで、今日はデ・ニーロと一緒に子供たちの家を訪ねる旅に同行しました。
フランクは列車やバスを使ってニューヨーク、シカゴ、ラスベガスを旅します。
 
ニューヨークでアーティストとして暮らす息子デイヴィッドには会えずじまい。
オーケストラの指揮者と聞いていたのにロバート(サム・ロックウェル)はただのパーカッション奏者でがっかり。
シカゴに住むエイミー(ケイト・ベッキンセール)は息子が病気で帰れないって言ってたのに息子は元気ジャン
写真でしか見てなかった家は立派だったけど一家の食卓はなんだか居心地が悪いし、忙しそうで長居はできそうにない。
ラスベガスに住むロージードリュー・バリモア)は優しく迎えてくれたけど、持病の薬が無くなり、早く帰らないとやばそう・・

この映画は『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレのイタリア映画『みんな元気』を
『ウエイク・アップ!ネッド』のカーク・ジョーンズ監督がリメイクしたものだそうです。
 
フランクにとって子供たちは幼いときのまま。
それは子供を迎える準備をするフランクが、ビニールのプールに水を張るシーンからも伺えます。(夏でもないのにw)
思えば大人になった子供たちとの接点は、いつも妻。
フランクにとってこの旅は子供たちとの絆を確かめるためのものだったかもしれません。
ところが、彼は子供たちに自分の価値観を押し付けすぎていたことに気づくことにもなり、これがほろ苦い。
それでも子供たちはプレッシャーを感じながらも、その期待に応えようと頑張るものなんだ
親子ってそんなものだよなぁと思うし、子供にも父の愛は伝わっていたと感じるラストには感動でした。

ところで、子供たちが帰省出来なくなったのにはある理由が隠されていました。
デ・ニーロのぽつんと孤独な姿は悲哀に満ち、なんだかやたらと泣かされましたね~。
長年電線を作る仕事に携わっていたという設定は頑固でまじめな主人公のキャラをイメージさせるだけでなく
車窓から見える電線は親子の絆、人の心と心を結ぶものとして描かれていたのでしょうね。

途中やや無駄と思えるシーンもあり中だるみがあるのが残念ですが
主演のデ・ニーロは勿論のこと、実力者ぞろいの共演者の演技もよくビタースウィートな佳作でしたよ。
タイトルの『みんな元気』にはただひたすら子供の幸せを願う親の気持ちが込められていました。

日本公開の予定はまだありません。