しまんちゅシネマ

映画ノート

お熱いのがお好き


1959年(米)
監督:ビリー・ワイルダー
出演:ジャック・レモン/トニー・カーティス/マリリン・モンロー/ジョージ・ラフト/ジョー・E・ブラウン/パット・オブライエン

■感想
今頃観たんかい!シリーズです
恥ずかしながらマリリン・モンローの作品って一本も観たことなく、今回お初となりました。
 
禁酒法時代のシカゴ。
まず冒頭、霊柩車に見せかけ、棺おけの中身はお酒。
斎場に向かったと思いきや、奥のドアを開ければそこは違法酒場。
そのからくりの楽しいこと。
ところが警察の抜き打ち捜査が入り、場面はドリフのコントのクライマックス状態。
酒場での演奏を生業としていたバンドマンのジョー(カーティス)とジェリー(レモン)は
てんやわんやの現場から楽器を抱え逃げ出し、次の小さな仕事にありつくため駐車場に向かったところで
不幸にもギャング間の抗争事件を目撃してしまう。
ギャングを壁に一列に並べてマシンガンで銃殺・・・   ん?
あー、これは先日観た『聖バレンタインの虐殺』やん!
なんだか観た映画とこんな風に繋がるのって楽しいよね~。
で、この現場に主人公二人が居合わせたっていう設定にもウキウキ
 

命からがら逃げ出したもののシカゴから離れなければ殺される。
そこで二人はフロリダに向かう女性ばかりの楽団にもぐりこむんですね。
女装して!(笑)
 
ここでひとつ思い出したのは『コニーとカーラ』(2004)
あれは殺人事件を目撃した女性二人がドラッグクィーン専門のバーにもぐりこみ
女性なのにドラッグクィーンを装うというものだったけど
もしかして本作のオマージュだったのかも。
 
楽団の中では少々外れ物のシュガーを演じるのがマリリン・モンロー
ようやく登場したマリリンのかわいらしいこと!
セックスシンボルのイメージだったのに、この頃のマリリンはセクシーさとキュートさが同居して
あまりメイクをしてない列車の中の彼女は清楚に美しいと思うほど。
キラキラ光り輝く前の原石とでも言うのかな、目が離せない魅力に溢れてました。
有名なププッピドゥもこの映画で歌われてたんですね。
ただ妊娠によるものなのか、少々太り気味。しかも精神状態も不安定だったとか。
今となっては大変な名作となったわけだけど監督さんは苦労したようです。
 
女装して奮闘するトニー・カーティスジャック・レモンは本当に芸達者。
レモンの演奏シーンの楽器をくるっと回すとのが好き、彼は手先が器用だな。
劇中シェル石油の御曹司に扮したカーティスはケイリー・グラント風に演じたとのこと。
ギャングとの追っかけはもう少しサスペンスフルでもよかったと思うけど
これはこれで楽しい映画でしたね。ラストも大笑いで The Endでした。