しまんちゅシネマ

映画ノート

4匹の蝿


1974年(イタリア)
監督:ダリオ・アルジェント
出演:マイケル・ブランドン/ミムジー・ファーマー/ジャン=ピエール・マリエール/バッド・スペンサー


■感想
日本劇場初公開から 37 年-
恐怖の帝王ダリオ・アルジェント、幻の傑作が遂に解禁!

これは『サスペリア』以前の監督作品になるんですね。
ビデオ未発売のまま37年も封印されてきた幻の傑作とされる本作の劇場リバイバル上映に
心躍らせるファンも多いことでしょう。
 
ロックバンドに所属する主人公ロベルト(マイケル・ブランドン)は、執拗に自分をつけ回す中年男の存在に悩まされていた。
ある日男の後を追い無人の劇場へ辿り着くが、そこで男の取り出したナイフで誤って男を刺してしまう。
血を流し倒れる男を呆然と見つめるロベルト。
と、二階席に仮面を被った謎の人物が現れその様子をカメラに撮った。
 
その日以来ロベルトの元にはそのときの証拠写真が届けられ
夜中に無言電話がかかるようになる。
そしてついには事件を追求しようとする人間が殺され始め
恐怖におののく妻ニーナは家を出るのだった・・・
 
ロベルトを脅迫する犯人は誰?その目的は?というサスペンスですが
面白いのはタイトルにもある4匹の蝿のアイディア。
これは死んだ人間の眼球を取り出し網膜を調べると、最後に見た残像を知ることが出来るという
そりゃないだろ~という技術によるものなんですが
被害者の網膜に映っていたのは蝿のような黒点4つ。。
さて、この残像から犯人を特定することが出来るのか。
 
本作の他にも動物を謎解きの鍵にした作品が撮られていて
動物3部作」といわれているようです。

謎の男の被っていた仮面が『サスペリア』のカクカク人形に似た不気味さだし
姿のない殺人犯による、殺しの瞬間の映像も怖い。

主人公ロベルトを演じたマイケル・ブランドンはなかなかハンサムだし(左の私立探偵はゲイw)
音楽を担当するのがあのエンニオ・モリコーネ
その旋律がサスペンスに甘美さを与えてるんだな。
 
犯人の異常な動機、スローモーションを使ったラストシーンの衝撃
うん、これは一見の価値ありです!