しまんちゅシネマ

映画ノート

ガールフレンド・エクスペリエンス


 
2009年(米)
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演: サーシャ・グレイ/クリス・サントス/マーク・ジェイコブソン
■感想
今日は日本公開中の作品を一本
スティーヴン・ソダーバーグが本物のポルノ女優を主演に迎え、
マンハッタンで高級コールガールとして働くヒロインの日常をドキュメンタリータッチで描いた作品です。
 
役者たちの台詞はほとんどがアドリブらしいのですが
収録のときがリーマンショックに揺れる2008年、大統領選を控えた頃とあって
会話の内容も、将来的な経済不安などが多く、世知辛さが見て取れます。

そんな時代でも彼らが高級ガールであるチェルシーにお金を払うのはセックスが目的ではないんですね。
チェルシーは彼らにガールフレンドのように接し、話を聞きます。
顧客である男たちは、彼女の暮らしぶりをききアドバイスし、髪をなでられ、
時にマスターベーションを依頼する。
彼らの求めているものは、実はボーイフレンドエクスペリエンスなんでしょうね。

誰かに話を聞いてほしい、誰かと繋がっていたい。
日常から離れたコールガールとの関係にこそ、真実の姿をさらけ出せる人もいるのかも。
 
一方、チェルシーも顧客との関係の中、傷ついたり自分のポリシーが揺らいだり。
ガールフレンド・エクスペリエンスは、マンハッタンに生きるコールガールと彼女を取り巻く顧客との日常から
案外に人間の本質の一部分を覗くことのできるヒューマンドラマに仕上がってました。
 
ただし、、ヒロインがポルノ女優ということで、Hなシーンを期待するとあてが外れます(笑)
ヒロインを演じたサーシャ・グレイは淡々とした演技ながら、
心の奥の孤独やストレスを垣間見せる演技で悪くないです。
ポルノ以外の分野で今後活躍することになるかも。
ナイスボディだけど、どちらかというとアジア的かな。