しまんちゅシネマ

映画ノート

ダンス・オブ・テロリスト

2002年(スペイン/アメリカ)
監督:ジョン・マルコヴィッチ
出演:ハビエル・バルデム/ラウラ・モランテ/ファン・ディエゴ・ボト/エルビラ・ミングー
   
■感想
ペネロペ&ハビさん ご結婚おめでとう~!!特番 その2
えっと、ハビさんの映画も紹介しとかないと不公平よね、ってことで
今日は2002年製作の『ダンス オブ テロリスト』を。
これ日本未公開ですが、ジョン・マルコヴィッチの初監督作品なんですね。

南米のとある国を舞台に、過激派テロ組織の指導者逮捕までの過程を描く社会派サスペンス。
南米のとある国と、ぼかした表現をしてますが、
ペルーの過激テロ組織センデロ・ルミノソの指導者の逮捕をめぐる実話が元になってるんだそうです。
 
ハビさんが演じるのは、刑事としてテロ組織を追う男。
映画は、革命をもくろむ過激派のテロ行為に、街が緊迫を帯びてくる中
地道な捜査で組織の解明をはかる警察の様子が描かれます。
 
死んだ犬をつるしての犯行予告、幼い子供を使った自爆テロなど
かなり緊迫した空気が漂うものの、過激派グループは姿を見せません。
手がかりがまるでない状況から始まる捜査は、向かう先が見えにくいのと、
淡々としているところから正直ちょいと眠くなりました。
ハビさんの結婚特番でなかったら途中リタイアしてたかも^^;
 
それでも頑張って観た甲斐あって、犯人に近づき始める頃からは面白くなり
観てよかったと思えたんですけどね。
 
経済が凍結し、お金のために、死をもいとわない子供がテロに加担する様子が怖いんですよ。
戒厳令を敷く軍部もだんだん妙になってきて、警察は独自に頑張るしかない状況
そういう、不安定な国政の描写も興味深いところでした。
この映画のハビさんはおかっぱ冷血男とは間逆の、穏やかな微笑が似合う誠実な刑事。
妻子ある身ですが、娘の美しいダンス教師に恋心を抱いてしまうんですね
その教師の正体が分かる終盤、彼の心が揺れに揺れ・・
刑事として一人の男として葛藤する姿を静かに好演してました。

ちなみにハビさんの相棒役のファン・ディエゴ・ボトがジョニー&オーランド似の色男。
アップで映し出される瞳がとっても綺麗で、マルコヴィッチは絶対に彼を気に入ってる!と思ったなw
 
ドキュメンタリーかと思うほどの淡々としたところもあり、地味な印象ではあるものの、
緻密に捜査を進める様子や、姿の見えないテロリストの描き方など
知的なマルコヴィッチらしいという感じもしました。
出来れば多少のユーモアを交えて欲しいところでしたが
初監督作品としてはなかなかの出来だったのではないでしょうか。