しまんちゅシネマ

映画ノート

母なる証明


2009年(韓国)
監督:ポン・ジュノ
出演:キム・ヘジャ/ウォンビン/チン・グ/ユン・ジェムン/チョン・ミソン
【ストーリー】
静かな田舎町で女子高生が無惨に殺される事件が起き、トジュン(ウォンビン)が容疑者として逮捕される。
息子が犯人であるはずはないと確信するトジュンの母は自ら真犯人を探すことを決意し行動を開始する…。
  
■感想
やや知恵遅れの息子と二人、懸命に生きてきた母は、息子のことが心配でならない。
そんな息子が殺人事件の犯人として捕まると、母は自ら犯人探しを始めてしまうのだが
いかにも素人判断の犯人探しが、徐々に事件の核心に迫っていく様子が面白い。
 
冒頭、すすき野での母の奇妙な踊りに「何?」と戸惑うのだけど
後半その場面が再現されるとき
あぁ、なるほど こういう心境 こういう映画だったんだと 
ここで終わっても「なかなかいい映画だった」と納得したはず。
 
ところが映画はその先があった
その後半にこそ、母の葛藤が見て取れる
さまざまな伏線は、母の葛藤に繋がっていたと知るラストの10分には凄いと唸るしかない!
単に息子の無実を晴らそうとする一人の母親の物語に終わっていない
全ての母が持ちうる普遍の母性と人間としての葛藤

母親役のキム・ヘジャに役名はない
彼女は「母」  そのものだから。
 
母を演じたキム・へジャ  ブラボーー!!
この役を復活一本目に選んだジャニーズ系ウォンビンの役者心にも拍手
 
噂に違わぬお見事な映画でした!