しまんちゅシネマ

映画ノート

ジャガーノート


1974年(イギリス)
監督:リチャード・レスター
出演:リチャード・ハリス/オマー・シャリフ/シャーリー・ナイト/アンソニー・ホプキンス/イアン・ホルム/デヴィッド・ヘミングス
【ストーリー】
ジャガーノート”と名乗る男から豪華客船ブリタニック号に爆弾を仕掛けたという脅迫状が届いた。警察の必死の犯人捜索が続けられる中、特殊部隊による爆弾処理班は嵐の海へ飛び立つ。(allcinemaより)
     
■感想
1200人を乗せた豪華船舶ブリタニック号に時限爆弾つきの爆弾が仕掛けられ
犯人は500万フランを要求
しかし政府は金を犯人の要求を拒否し、爆弾処理班を船に送る。
爆発まで22時間。1200人の運命やいかに!というドキドキのサスペンスですが
これは1972年イギリスで実際に起きた事件を元にしてるんですね。
 
タイトルのジャガーノートというのは犯人が名乗る名前ですが
これには「止めることのできない巨大な力、圧倒的破壊力」という意味があるそうです。
 
荒れ狂う洋上で豪華客船から逃れることは不可能。
周回を繰り返す船。乗客も異変に気づき始める頃、
空から爆弾処理班のメンバーが、荒れ狂う海にパラシュートで下降してくる。
異様な光景ですよね~。
CGなど使わない真の迫力!このシーンには息を呑みました。

リチャード・ハリス演じるファロンが爆弾処理にあたるシーンも勿論スリリング
爆弾処理班といえば『ハートロッカー』のようなプロテクター姿を想像するのだけど
ここでは普通にセーター姿なんですね。それ見て余計にハラハラしちゃいました。
バイス側からファロンの表情を捉えるというカメラアングルも緊張感を生みました。
赤か青か!
どちらのワイヤを切るかはの究極のジレンマを描いた作品の走りでもあったようですね。

ブリタニック号に妻子が乗っているという設定で
犯人探しに執念を燃やす刑事役にアンソニー・ホプキンス
彼には出来れば犯人を演じて欲しかったかも(笑)
 
危険が迫っている中、黙々と仮装パーティをしたりと
乗客が比較的落ち着いていてパニックにならないのはイギリスの国民性かしらね。
そのためありきたりなパニック映画にならず、
それぞれの心理を楽しむこともできたかなと思います。
犯人、乗組員などの人間模様もさりげなく丁寧に描かれ
サスペンスフルなアクションでありながら、群像劇的な要素も見せてくれました。