しまんちゅシネマ

映画ノート

コントロール


2007年(イギリス/アメリカ/オーストラリア/日本)
監督:アントン・コービン
出演:サム・ライリー/サマンサ・モートン/アレクサンドラ・マリア・ララ/ジョー・アンダーソン/ジェームズ・アンソニー・ピアソン
【ストーリー】
1970年代、デヴィッド・ボウイイギー・ポップに憧れるロック青年イアン・カーティスは、ライヴ会場で後に妻となる女性デボラと出会い、恋に落ちる。やがて、デボラとごく普通の家庭を築きながらも、同時にバンド“ジョイ・ディヴィジョン”のヴォーカルとして大きな名声を獲得していく。そんな中、愛人アニークとの関係や癲癇の病が彼の精神を次第に追い詰めていくようになる。(Allcinemaより)
 
■感想
ジョジクル特集 4本目!
えーーっと、クルーニーは出演してるわけでも、監督、製作に携わってるわけでもない
どこがクルーニー特集?という作品なんですが、
実はジョジクル新作の『The American』の監督を務めたのが本作のアントン・コービンと知り
来月の公開の前にこれを観ておきたいと思ったんで、反則ですが特集に加えました(笑)

イギリスのロックバンド、ニュー・オーダーの前身ジョイ・ディヴィジョン”のボーカリスト
僅か23歳で自ら命を絶った伝説のロック・ミュージシャン、イアン・カーティス
彼の半生を描く本作は、劇中、ライヴ・シーンも多く、音楽映画としての位置づけでもあります。
 
残念ながらジョイ・ディビジョンもニュー・オーダーも知らない私には
イアンを演じたサム・ライミ・・もとい、サム・ライリーだ^^;の歌をうまいとは思えなかったし、
へんてこな踊りに違和感があったのだけど
YouTubeで映像を見てみたら、かなり近いものを表現してたのね。びっくり。
 


監督はミュージック・ビデオも手がける世界的な写真家とのこと
モノクロ映像がクールで、建物の前を主人公が歩いている、そのシーンだけでも絵になるのはさすが。
カンヌでカメラドールを受賞しています。
 
妻、デブだ、、もとい、デボラにサマンサ・モートン^^;
イアンとの出会いが10代ということで、30歳のサマンサが10代のギャルを違和感なく演じたのは凄い。
 
愛人を演じたアレクサンドラ・マリア・ララは『トンネル』や『ヒトラー ~最期の12日間~』にも出てた美人さん
2008年にイアンを演じたサム・ライリーと結婚したんですね
 
原作はイアンの妻デボラの著書とのことで
癲癇という持病があることの不安、早すぎた結婚への後悔、のしかかる重圧などのストレスから
イアンが精神的に追い詰められ、自分をコントロールできなくなっていく様子が見て取れます。
 
ただ、私が知らないからか、最後まで駆け出しバンドにしか見えず、
彼らの歌にファンが熱狂する理由が分からなかったのが残念だし
伝説的ボーカリストの伝記を描くのならば、そのカリスマ性にも迫って欲しいと思ったけど
あえて説明的なものは加えず、イアン・カーティスを一人の若者としてとらえ
その孤独に迫った作品なのでしょうね。
 
映像だけではなく、内面もちゃんと描けていたと思うので
監督が『The American』でどんなサスペンス映画を見せてくれるのか、楽しみです。