しまんちゅシネマ

映画ノート

ミュージックボックス


1989年(米)
監督:コスタ=ガヴラス
出演:ジェシカ・ラング/フレデリック・フォレスト/ドナルド・モファット/ルーカス・ハース/アーミン・ミューラー=スタール
【ストーリー】
ハンガリーからの移民である父が、戦争中のユダヤ人に対する虐殺行為で強制送還を言い渡された。
弁護士である娘のアンは父の無実を晴らすため弁護を引き受ける。
■感想
ベルリン特集 5本目!
ベルリン特集最後の今日は、第40回ベルリン映画祭で金熊賞を受賞した『ミュージックボックス』
『Z』のコスタ=ガヴラス監督による法廷ドラマです。
 
腕利き弁護士として働くアンは、ある日父親の元に届いた通達を見せられ、憤る
父をユダヤ人虐殺の犯人としてハンガリー政府への引渡しを求めるものだったからだ

「何を心配してるの? 人違いよ。まったく、どうしてこんな間違いが起こるんだか」
うろたえる父親をなだめるアン
しかし移民捜査官に「間違いではない」と告げられ、アンは父の無実を晴らすため
弁護を引き受けることにした。


弁護士ことにである主人公にとって、父を戦犯とする通告はまさに寝耳に水
ところが、裁判では証人により 生々しいホロコーストの事実が語られ
父への信頼が揺らぐことになるのです
 
証人たちが語るモンスターが父と同一人物??
そんなはずはない。

そう信じるアンは、巧みに反証を繰り返すのですが・・・
 
見ごたえのある作品でした。

父への信頼と正義の狭間で葛藤する主人公アンを演じたジェシカ・ラングがいいです。
40年も前の事件、証人の記憶力の不確かさを突く裁判劇としての面白さ
ホロコースト被害者の証言を受け、人道的立場から葛藤するアンを描くことで、
戦争の悲惨さと同時に、戦争に翻弄された人々と、その家族の悲しみも感じます
 
アンがいきつく真実とは・・・
 
タイトルの『ミュージックボックス』とはオルゴールのこと
これがラストに衝撃の事実を突きつけるんですよね。。
 
凄い映画でした。