しまんちゅシネマ

映画ノート

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ


2001年(米)
監督:ウェス・アンダーソン
出演:ジーン・ハックマン/アンジェリカ・ヒューストン/ベン・スティラー チャス・テネンバウム/グウィネス・パルトロー/ ルーク・ウィルソン/オーウェン・ウィルソン/ダニー・グローヴァー/ビル・マーレイ/シーモア・カッセル
【ストーリー】
テネンバウム家の3人の子どもたちは皆若くして成功した天才児。しかし、父親の過ちと裏切りにより一家は崩壊を始めてしまう。彼らと再び家族の絆を取り戻したいと考えた父親は一計を案じるのだったが……。(Allcinemaより)
■感想
ロイヤル・テネンバウムというのは、ジーン・ハックマン演じる一家の父親の名前
タイトルは、「ザ」がついてるので、ロイヤル・テネンバウム家の人々ということになりますね。
 
早い時期にそれぞれの道で才能を発揮した子供たちだったけど
長男チャス(ベン・スティーラー)は妻を飛行機事故で亡くし男手ひとつで二人の子供を育て
長女マーゴ(グウィネス・パルトロー)は年の離れた夫(ビル・マーレイ)と空虚な結婚生活を送ってるし
次男(ルーク・ウィルソン)もテニス界を引退し、船旅に出ちゃった
 
崩壊してしまった家族を取り戻したいと考えたのが父、ロイヤル(ジーン・ハックマン
一計を講じ、一家をリユニオンさせることに成功するのだけど
本当に家族は心をひとつにすることができるのか といったお話。
 
いや~、ジーン・ハックマンのコメディを見た事がなかったので
彼がこれほどおかしみを表現できる人とは知らなんだ
最初からジーン・ハックマンを想定して脚本が書かれていたようで さすがにはまってます
 
誰もすっとぼけてるけど、まじめに悩んでまじめに苦しんでる

 
出演者のキャラクターはどれもおかしかったけど
妻を飛行機事故で亡くしたトラウマから、サバイバル人生を息子に教え込み、
子供ともどもジャージ姿で暮らすベン・スティーラーが笑える
でも彼が一番家族関係に傷ついた息子だったなぁ。

アンニュイなグウィネス・パルトロー
実は誰よりも愛を求めて彷徨う人だったことにも泣けたし
そんな妻グィネスをただボーーッと見守るビル・マーレイもおかしい
アンジェリカ・ヒューストンの貫禄と可愛らしさは、ここでも健在
いつも作品をきりりと引き立てるよね。
 
小物使いの妙、独特のユーモアセンス 
だから何?って思う人もいるかもだけど、この痛くてゆるい作風、私は好き。

後半、もつれていた糸がほぐれて それぞれの心が通い始めると
もうたまらん、泣けます。
長い後悔のあと、勇気を出して行動したロイヤルの思いは
少なくとも長男チェスには伝わったよね。それがとても良かった。
登場人物が愛おしく、人恋しくなる作品でしたね。