しまんちゅシネマ

映画ノート

まぼろしの市街戦

 

 
1967年(フランス/イギリス)
監督:フィリップ・ブロカ
出演:アラン・ベイツ/ピエール・ブラッスール/ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド/ミシュリーヌ・プレール
【ストーリー】
第一次大戦下フランス、占拠した小さな村ごと英軍の部隊を吹き飛ばそうと大量の爆薬を仕掛ける独軍。時間までに爆弾の撤去を命じられた英兵士が村に着いた時、そこは避難した住民の代わりに精神病院から逃げ出した患者で溢れていた……。
フランス映画祭り 2本目
■感想
今日はフレンチな戦争ファンタジー
第一次世界大戦下のフランスのとある街を舞台に、戦争の愚かさを描く反戦映画です。
 
カルト映画にも分類される本作、独特の味わいのある映画でしたね~。


精神病院の患者たちは、もぬけの殻となった街に繰り出し、思い思いの衣装を着て
あるものは僧侶に、あるものは伯爵夫人になったつもりの ナンチャってコミュニティを形成してしまうんですが
彼らの暮らしは彩りに溢れ、幸福そのもの
一方戦争を戦う兵士たちは、なんとも滑稽に描かれます
精神病の患者よりも、戦争をする人間のほうがよっぽど愚かじゃないかと言ってるんですね。
 
爆弾撤去のためにやってきた伝令兵のプランピック(アラン・ベイツ)を
ハートの王として慕う患者たちが楽しい
特に花嫁となるコクリコ(ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド)が可愛いく
綱渡りで窓越しにプランピックに会いに来るシーンがいいですね。
 
一旦は街に繰り出した患者たちだけど、彼らは決して街を離れることはせず
最後には、衣装さえ脱ぎ捨てて病院に帰っていく姿が印象的です
外界の狂気に染まることなく、純粋に生きる場所は、そこしかないのかもしれません。
 
まるで大道芸人のカーニバルのようなシーンは映画的で楽しいです
でも、音楽はどこか物寂しく、
命果てる瞬間まで、人間らしく生きたいとでもいうような刹那感にも溢れていました
名作には違いないですが、このドンちゃん騒ぎ的な部分を楽しめるかどうかで
好みの分かれる作品かもしれません。
 
 
ちなみに今回のフランス映画祭りでは
暮れにパリ旅行を計画しているxiumeiさんのために
パリ近辺のものに関しては、
ロケ地情報を載せていこうと思います
 
この映画のロケ地となるのはサンリスはフランス中北部の町

映画の中でドイツ軍が爆弾を仕掛けたのはサンリス・ノートル・ダム大聖堂
史跡がたくさんの街のようですね。
ここ私も行ってみたいなぁ。