しまんちゅシネマ

映画ノート


 
1960年(フランス)
監督:ジャック・ベッケル
出演:ジャン=ケロディ/フィリップ・ルロワ/ミシェル・コンスタンタン/マルク・ミシェル/レイモン・ムーニエ/カトリーヌ・スパーク
フランス映画特集 8本目
■感想
ジャック・ベッケル監督による、傑作脱獄ものサスペンスです。
 

舞台は警備の厳しい刑務所の一牢獄。
4人の囚人は地下にトンネルを掘って脱獄する計画を練っていた。
そこに新顔が入獄。迷いながらも新顔に計画を打ち明け、5人で穴掘りに着手する・・
 
いやはや、脱獄ものにドキドキはつきものだけど、この緊張たるや、半端ないですね。
大概の脱獄映画は囚人同士の友情が描かれたり、笑いが盛り込まれてたりするよね。
ところがこれには、息抜きというものがない。

とにかく掘る、ひたすら掘る 掘る
しかも結構大胆に音立てたりするもんだから、見つかるやーーん、って気が気じゃないのね。
この牢獄の部屋は、鉄格子じゃなく、外からは中が見えないんだけど
逆に言うと、中から外の様子も見えないわけで。。これが緊張をあおる。
見張り役がドアののぞき穴から、歯ブラシの先に鏡を付けたもので、外を窺う際も
角度に制限があるから、ドキドキするんですよ。
 
他に、映画の見所としては、無から有を生む脱獄道具の工夫、
仲間間での心の探りあい など
 
ストイックな穴掘り作業そのままに
驚くほどにストイックな作品でしたね。
 
BGMはなく、ひたすら響く穴掘り、金属を削るなどの効果音、
モノクロ映像も緊張を高めました。いやはや、心臓に悪い
監督さんは、この映画を撮り終えて、2週間後にお亡くなったそうで。
やっぱり、心臓に悪かったんじゃ?^^;
ちなみに5人のうちの一人は、実際に脱獄歴のある囚人さんですって。