しまんちゅシネマ

映画ノート

ブラック・スワン


 
2010年(米)
監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ナタリー・ポートマンヴァンサン・カッセルミラ・クニスバーバラ・ハーシーウィノナ・ライダー/バンジャマン・ミルピエ
 
■感想
プレオスカー特集 6本目
今日は『レスラー』のダーレン・アロノフスキー監督がナタリー・ポートマン主演で
描く心理スリラー『ブラック・スワン』を。
 
ナタリー・ポートマンの所属するバレエ団は、プリマドンナの交代の時期を迎え
美しく才能も持ち合わせたニナ(ポートマン)に白羽の矢が立つ。
プリマドンナお披露目となる次期公演は『スワン・レイク
白鳥と黒鳥、正反対のキャラクターを一人で演じなければならない難しい演題だ。
まさに白鳥のイメージのニナに、官能的で挑発的な黒鳥を演じることができるのか
そんな折、黒鳥のイメージにぴったりの新人リリー(ミラ・クニス)の存在にあせりを感じるニナだったが・・・
 
いやはや、凄い映画でしたよ。
バレリーナだった母親から夢を託され、期待を背負ったバレリーナ
精神的プレッシャーに苛まれるお話、
簡単に言ってしまうとそうなるんですが
序盤で、ニナが自分にそっくりの人間を見かけ、後を追うというシーンがあり
どうやらドッペルゲンガー的な要素も持たせている様子。
二ナの中のもう一人自分の存在が映画のポイントになります。

ナタリー自身がポランスキーの『ローズマリーの赤ちゃん』に似てると言うように
心理的な圧迫が見せる映像は、現実と虚構の境を失い、これがホラー
バレリーナって、小さいときから訓練を重ね、ストイックに暮らし
それでもプリマドンナの座を得る人間は、ほんの一握りでしかない。
歳をとってお役ごめんとなる、前プリマドンナウィノナ・ライダーが演じていて
彼女が映画のホラー部門担当なんですね(汗)
ウィノナがこういう扱いって・・・、ファンは泣いちゃうかもだ
 
映画の半分くらいを占めるかもと思われるバレエシーンをこなす
ナタリーの身体能力の高さにも驚くところだけど
プチ官能的なシーンもあるので、男性はティッシュのご用意を。
あ、鼻血ですよ(笑)
 
公演で見せる驚くばかりの黒鳥のパフォーマンスは鳥肌モノ!
ラストはヒロインの痛々しいまでの哀しさに涙なんだけど、なんか感動でもあるんだよね。

バレエの指揮をとる演出家にヴァンサン・カッセル
エゴでサディスティック。セクシーな男の色香を漂わせ、ぴったり。
自分の果せなかった夢を娘に託し、ニナに無言のプレッシャーを与え続ける母親を演じた
バーバラ・ハーシーも、さりげにいびつで最高です。
 
ナタリーの主演女優賞獲得にも期待が高まりますね。
日本公開は来年春