しまんちゅシネマ

映画ノート

[リミット]


2010年(スペイン)
監督:ロドリゴ・コルテス
出演:ライアン・レイノルズ
声の出演:ロバート・パターソン/ホセ・ルイス・ガルシア・ペレス/スティーヴン・トボロウスキー/サマンサ・マシス
    
■感想
土に埋められた棺おけの中から、必死の救出を求める一人の男の姿を描く
イムリミットサスペンスです。
監督はスペインの新鋭、ロドリゴ・コルテス

気づけば土の中・・・
イラクでトラック運転手として働くポール(ライアン・レイノルズ)は、暗闇の中目覚め、
手元のライターで自分の身に何が起きたのかを探ろうとします。
と、足元で携帯電話がなり、彼は身代金目的で拉致されたことを知るんですね。
期限までに助けを呼び、金を渡さなければ命はない。
さてポールの運命やいかに。。というおはなし
 
いや~、なんとも 壮絶な作品でした。イラクっつーのがマジ怖いわ
地中に埋められた狭い箱の中ということで、まず酸素に限りがある 
外と連絡する唯一の手段である携帯電話の電池に限りがある
誘拐犯人から言い渡された期限があり、まさに命の時間にも限りがあるのですよ。
 
よせばいいのに叫ぶ、ライターはともすで、酸素消費しまくり
おいおい、もっと慎重に~と思うのだけど
仕方ないよね。まずはパニックと戦わなければならないのだから
 
救出に望みをかける主人公が、使えるものを最大限に利用するところが面白い
しかしながら、ことはスムーズには運ばず、
時間の経過にハラハラし、政府の対応に憤り・・
希望と絶望が交錯する状況に一喜一憂することになります。
主人公のポールが、ジャーナリストとか、兵士とかじゃなく
低所得層の労働者であることがまた切ないんだよね。
 
イラクにおけるこういう事件で、救出されるのは実は一握りなんだろうということにも愕然とします。
 
登場人物はたった一人
場所もずっと狭い箱の中のみ
それなのに、ちゃんと社会の仕組みを見せ、社会派な一面を覗かせるし
パニック映画としても、スリラーとしても楽しめる仕組み
死を意識した男のヒューマンドラマでもあるんですよね。
一人暗闇で頑張ったライアン・レイノルズに拍手
これは面白かったですよ。