しまんちゅシネマ

映画ノート

ブローン・アパート


2008年(イギリス)
監督:シャロン・マグアイア
出演:ミシェル・ウィリアムズユアン・マクレガーマシュー・マクファディン/ニコラス・グリーヴス
  シドニー・ジョンストン /サーシャ・ベアール/エドワード・ヒューズ
 
■感想
ロマンス大会4本目
ロンドンを舞台に、テロで愛する子供の命を奪われた母親の姿を描くヒューマンドラマ
監督は『ブリジット・ジョーンズの日記』のシャロン・マグアイア
原作はクリス・クリーヴの『息子を奪ったあなたへ』です。

この世で一番愛するものの命が、ある日突然、しかもテロによって奪われてしまったら
人はその悲しみをどこにぶつければいいんでしょうね。
テロの被害者を描いたものではアダム・サンドラーの『再会の街で』が記憶に新しいけど
大きすぎる哀しみに心を閉ざした人間が再生するには時間がかかると痛感したものです。
 
本作は原作のタイトルにもあるように、
息子を奪った者=オサマ・ビン・ラディンにあてた手紙の形で描かれてて、
その手紙を読む母親ミシェル・ウィリアムズのナレーションで進行するんですね。
自分の思いを手紙にしたためることで、息子への愛をあらためて確認し
自分をみつめ、心の整理をすることになるのでしょうね。
テロを描くものとして、こういうアプローチの仕方があるんだなぁと
ちょっと目新しさを感じました。まぁ、イギリス映画なのも救いです。
 
今回ロマンス大会で取り上げたのは
これはミシェルとユアン・マクレガーのラブストーリーにつながるお話だから。
いや、実際には二人は2度関係を持っただけの不倫の仲。
情事の最中にテロが起こり、それはミシェルに大きな悔いを残すのだけどね。
喪失感と戸惑いを見せながらも再生を果していくミシェルの演技はさすがです。
今回は彼女の母性も大きなポイントでした。


ミシェルは脱ぐと後姿がセクシーですね。
ユアンとのソファーでの情事はドキドキもんでしたよ。
ジャーナリストであるユアンはテロを独自に捜査し、その過程で分かることもちょっとショッキング。
ユアンはちょい弱腰だけど惚れたものの弱み。その誠実さが素敵なんだな。
二人の関係はこれから。。と思わせる描き方も良かったです。
 
1/29~日本公開中ですね。