しまんちゅシネマ

映画ノート

恋する宇宙


2009年(米)
監督:マックス・メイヤー
出演:ヒュー・ダンシーローズ・バーンピーター・ギャラガー/エイミー・アーヴィング
フランキー・フェイソン/マーク・リン=ベイカー/ハヴィランド・モリス/マイク・ホッジ

  
■感想
先週は街中氷に閉ざされちゃって、ごみ収集車もきてくれなかったので
今日は遅れちゃならんと、地面の氷に気をつけながらゴミだししました。
ものの5分のことだけど、いや~寒かった!
温度確認したらマイナス10℃だったのよ~。
トラッシュ缶の取っ手を持つ手が凍りつきそうで、思わず『フローズン』のあのシーンがよぎったわ~(汗)

ロマンス大会7本目の今日は、ヒュー様繋がり♪
やはりイギリスダンシーもといイギリス男子なヒュー・ダンシー
アスペルがー症候群の青年を演じた、日本未公開作品です。
 
【ストーリー】
ニューヨーク。生まれて以来この街で暮らし続けている天体オタクのアダム。
彼はアスペルガー症候群、いわゆる発達障害を持つために人付き合いが苦手だった。
そんなアダムの住むアパート上の階にある日、童話作家志望の女性ベスが引っ越してくる。
アダムは彼女に一目惚れし、失恋を繰り返すだけののベスも純粋な彼に癒されていく。(Allcinemaより)
 
初めてアスペルガー症候群について知ったのはジョシュ・ハートネット主演の『イカモーツアルト』でした。
あることに集中的な能力を発揮するものの、人とのかかわりがうまくいかず
時にパニックを引き起こす、自閉症近似の機能障害。
本作のアダムも天体のことはじめ、エンジニアリング関連の知識は半端じゃないのに
人の気持ちを推し量ったりできないから、自分の思うことのみを喋り続けたりして
時に人を傷つけてしまったり・・・
 
彼は、長年一緒に暮らしてきた父親を亡くしたばかりですが
こんなアダムを一人残すことを、お父さんはさぞかし心残りだったでしょう。
 
シンプルすぎるベッドルームと、遠目からのひっそりとした(しかも毎日同じ!)食事シーンに
映し出されるアダムの孤独と不安。
そんなアダムのアパートにベス(ローズ・バーン)が越してきたのは、
もしかしてお父さんの念力?(笑)
次第に惹かれあうようになり、いつもの食事風シーンのカットにベスの姿が見えるときの幸福感
それまでの孤独と対比する、こういう見せ方はうまいなぁ。

ベスとの出会いでアダムは色んなことを教わります。
これはアダムの成長のお話でもあるんですね。
 
今の時代、アダムのように人の気持ちを分からない人は案外多いのかもしれません。
自分自身はどうなん?と問いかけてもみたり・・(汗)
ハっとするところもある映画だよね。
 
ラストシーンには含みを残します。
甘いだけの恋物語になってないので、ほろ苦さも感じるところだけど
こういう題材だからこそ、リアリティのある描き方にも納得。
それでいてピュアな気持ちで見終えることのできる、ちょっといい作品でしたね。
イギリス人ヒューとオーストラリア人ローズがニューヨーカーを違和感なく演じてるのにも感心。
 
2009年のサンダンス映画祭でアルフレッド・P・スローン賞を受賞しています。
 
 




☆  限りなく☆4つに近いのだけど・・