しまんちゅシネマ

映画ノート

ネットワーク


 
今月はエリザベス・テイラーの追悼と、それに合わせて元夫リチャード・バートン特集を予告してましたが
観たいと思ってるリズ作品が、なんとレンタルで大人気となってしまい観れない
ってことで、予定変更し、ルメット特集継続しちゃいます。
ということで、
ルメット追悼3本目は、視聴率に翻弄されるブロードキャストの裏側を描く異色サスペンス『ネットワーク』

 
ネットワーク(1976)アメリ
監督:シドニー・ルメット
出演:ウィリアム・ホールデンフェイ・ダナウェイ/ピーター・フィンチ/ロバート・デュヴァルネッド・ビーティ/ウェズリー・アディ
■感想
ニュース・ショウの 司会者ビール(ピーター・フィンチ)は、視聴率低下を気に病んでノイローゼになる。
「番組中に頭ぶっ放して自殺してやるよ」
前日そう言い放ったビールは、本番終了間際に、本当に自殺を予告
 
「来週番組中に死んでやるから観てね」
 
こうして、「何だ今のは?」的に視聴率が上がったことに目をつけるのが
フェイ・ダナウェイ演じる新鋭プロデューサーのクリステンセン。
彼女はビールをホストに据え、預言者と化したビールが世の中の怒りをぶちまけるという番組を企画
オンエアされるや、これを世間は面白がり、視聴率はうなぎのぼり
 
・・・・・・・

やらせやデータ捏造といったことは、日本でも問題になったけど
視聴率がらみでテレビ業界が狂っちゃうというのは今も昔も同じ。
そんなショウビズを痛烈に風刺しながら
映画は、狂っちまったビールをどうするの?っていうところをサスペンスフルに見せきる。
ラストシーンには思わず腰を抜かしたわ~。
って、抜けてないけど

本作でビールを演じたピーター・フィンチはアカデミー主演男優賞を獲ってますが
なんとノミネート後に心不全で他界し、
史上初の死亡者によるオスカー受賞になったんですね。
ヒースの受賞のときに話に出てたのは、この方だったのね。

そして女性プロデューサーを演じたフェイ・ダナウェイ主演女優賞受賞
とんでもなくやりすぎなんだけど、そのやりすぎにエクスタシーを感じてて
悪役なんだろうけど、魅力的で目が離せない。綺麗な盛りだしね~。
 
脚本もオスカー受賞ってことで、面白い作品には違いないです。

が、個人的には、フィンチ演じる狂ったビールが世間の悪を叩く様子がちょいうざく
気持ちよく観れなかったのは残念でした。