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映画ノート

ソリタリー・マン


マイケル・ダグラスが人生につまずきはじめる初老の男を演じ、その演技を絶賛された話題の新作。
製作にソダーバーグが関わってますね。
 
ソリタリー・マン(2009)アメリ
監督:ブライアン・コッペルマン/デヴィッド・レヴィーン
出演:マイケル・ダグラスメアリー=ルイーズ・パーカー/ジェナ・フィッシャー/ジェシー・アイゼンバーグ
   イモージェン・プーツスーザン・サランドンダニー・デヴィート
■感想
タイトルにあるSOLITARYというのは、孤立したとか、寂しいという意味
マイケル・ダグラスが演じるのは、かつてはカーディーラーとして仕事にも成功し
金も女も思うように手に入れてきた男ベン
今も女には目がなく、若者にも恋の指南をしてしまうほど。
でも、おイタがたたり、刑務所の保釈金を払ったりで経済的には落ち込み
新しい恋人のコネを頼りに、自動車業界に返り咲きを図ろうと思っている。
ところが、ある日の定期健診で心臓に異常を指摘されたベンは
自分の体にもいきなり自信をなくしてしまうんだね。
 
男も60前ともなると、さすがに盛りを過ぎちゃうの。
でも、ベンはそれをなかなか認めることが出来ず
そのことが、ますます彼を孤立させるというお話。
 
マイケル・ダグラスの哀愁がたまらないのよ。
鏡に映るの姿は、どう見ても中年のくたびれたオヤジ
それでも黒いスーツに身を包み、グラサンかけて、颯爽と歩き出す
すると確かにカッコいいのだけど、中身とのギャップが痛々しい。
 
それまで保っていたプライドがガタガタと崩れ去る様子には
自業自得とは思うものの、じんわり涙がでてきちゃった。
 
それでも彼には、昔ながらの友がいて
35年ぶりに会っても「いつものサンドイッチ」を作ってくれる。
プライベートでも長年の友というダニー・デヴィートの存在は
撮影中もマイケルの心の癒しになったのだとか。

全てを失ったベンはスーザンの元に帰るのか。
最後の判断は観客に委ねられた。
うん、帰ってもいいと思うよ。

マイケルはさすがにいい演技。
がん闘病中の実際の姿とも被って、哀愁を感じました。