しまんちゅシネマ

映画ノート

いぬ


 
カンヌ特集
過去の名作を見直そうとする目的で、2004年にカンヌクラッシックが創設され、
カンヌでは毎年、再発見された映画や復元された作品を紹介してくれています。
せっかくなので、今回カンヌクラシックで取り上げられる作品や、俳優、監督について知りたい。
ということで、数点観てみることにします。
まずは、フランスで最も愛される映画俳優としてオマージュを捧げられる
 
いぬ(1963)フランス
監督:ジャン=ピエール・メルヴィル
出演:ジャン=ポール・ベルモンド/セルジュ・レジアニ/ミシェル・ピッコリジャン・ドザイー
 
■感想
今回カンヌで上映されるのは、ベルモンドに関するドキュメンタリー映画『Belmondo... Itineraire』(2011)と
出演作品から『おかしなおかしな大冒険』(1973)、『太陽の下の10万ドル』(1973)ですが
今日はジャン=ピエール・メルヴィル監督の『いぬ』を観ました。
 
強盗の罪で服役中に、妻を何者かに殺害されたモーリス(セルジュ・レジアニ)は、
出所後新しい恋人テレーズの世話を受けながら日々を送っていた。
ある日、彼は仲間のジルベールの紹介で、ある屋敷への強盗を計画。
テレーズの下見も完了し、友人シリアン(ジャン=ポール・ベルモンド)の調達した道具を使い、
金庫破りを実行に移すが、犯行の途中で警察が現れ、やむなく仲間のレミとその場から逃走。
しかしレミは撃たれ、モーリスも弾丸を受け倒れた・・。
 


 
タイトルの『いぬ』というのは、警察への密告者のこと
モーリスの強盗計画をタレこんだ「いぬ」は誰なのか?を軸に据え
ギャングたちの復讐劇と警察との攻防を、スリリングに描く作品です。

いやぁ、これは良かった~。
昨日の友は今日の敵。
信じていた人間から、いつ命を狙われるか分からない世界の緊張!
そして、そんな中での真の男の姿にガツンとやられちゃいますねぇ。

シリアンを演じるジャン=ポール・ベルモンドが、とにかく素敵!!
飄々として、どこかユーモラス
しかもこの映画でもクールなギャングでありながら誠実さをもち
時に子供みたいな瞳で見つめてくれるのよねぇ。惚れちまうぜ~。
 

 
それだけに、この世界では幸せになることは許されないのかと思ってしまうラストには
衝撃が走りました。しかし渋い。
ノワールの傑作といわれるのも分かる、カッコいい作品でした。
 
身が軽く、スタントも自分でこなすというベルモンドのコミカルなアクション映画も観てみたいな。
お勧めあったら教えてね~。