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映画ノート

ピーター・フォーク追悼 『マイキー&ニッキー』

コロンボ刑事こと、ピーター・フォークの訃報を受け、
今日はしりとりをお休みして、追悼のレビューを。

インディペンデント映画の巨匠ジョン・カサヴェテスと共演した『マイキー&ニッキー』。
組織に切り捨てられ命を狙われる羽目になった男と、彼の幼なじみで同じ組織に属する男の一夜の逃避行を描く人間ドラマです。
 
マイキー&ニッキー (1976) アメリ
監督:エイレン・メイ  
出演:ピーター・フォークジョン・カサヴェテスネッド・ビーティ/ウィリアム・ヒッキー/ジョイス・ヴァン・パタン/M・エメット・ウォルシュ
■感想
ピーター・フォークとジョン・カサベテス監督とは、生涯の盟友だったそうですね。
そんな二人がダブル主演で共演する本作は、日本ではビデオレンタルのみとなっていたものが
3月12日ついにニュープリントで日本初公開となりました。
震災と重なり、見逃した方も多かったことでしょうが、6/25~再上映となった様子。
図らずも追悼上映となってしまったわけですね。
 
【ストーリー】
組織の金を盗み、命の危険を察したニッキー(ジョン・カサベテス)は
身を隠すホテルの一室から、マイキー(ピーター・フォーク)に電話で救いを求める。
早速駆けつけるマイキー。
暗殺者の影がちらつく中、二人の奇妙な逃避行が始まった。
 
 
二人は30年来の幼馴染であり、同じ組織に身をおくもの同士。
ニッキーは、唯一の友であるマイキーに助けを求めるものの、
組織の息のかかったマイキーを、完全に信用することができないわけです。

マイキーはといえば、ホテルに駆けつけるときも、胃薬を持参している。
ストレスでニッキーが潰瘍を作っているだろうこともお見通し。
そのくらい近い仲ではあるものの、一方ではやんちゃなニッキーに手を焼いていたり
映画は進行と共に、二人の微妙な関係性が暴かれることになるんですねぇ。
 
さてさて、ニッキーの運命はいかに。
カサベテスは、死の恐怖に脅えるニッキーを緊張の演技で見せきりました。
組織との板ばさみで揺れるマイキーをピーター・フォークが熱演し
ほぼ二人だけのやり取りでありながら、緊張感が高まっていく展開はお見事!
 
 
実はこれ、震災後の映画記事再開のトップバッターにするつもりだったんですが
思ってたものと違ったもので、レビューを控えてたんですよ。
いや、すごく面白いんですけどね
最後は、ソファーから転げ落ちそうになりましたから(^^;)