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映画ノート

ユアン・マクレガー新作『人生はビギナーズ』

ショート・ブレイク最後は、『サム・サッカー』のマイク・ミルズ監督の新作『ビギナーズ(原題)』
ユアン・マクレガーが70歳になる父親からゲイであることをカミングアウトされた息子を演じるヒューマン・ドラマです。
ビギナーズ(原題) (2011) アメリ
監督:マイク・ミルズ
出演:ユアン・マクレガークリストファー・プラマーメラニー・ロラン
 
■感想

母親の死後まもなくして、ゲイであることを告白した父親(クリストファー・プラマー
以後、ゲイらしく生きることを決め、遅い春を満喫したが
それから5年、彼は末期がんを宣告され、この世を去った。
 
物語は、息子オリヴァー(ユアン)が父のアパートを片付け、愛犬を引き取るところから始まり
思い出をなぞるように、過去と現在が交錯します。
 
オリヴァーの思い出の中で、母親はどこか寂しげ。
果たして母親は幸せだったのか、そんな思いにとらわれ、彼自身恋愛に臆病になっている。
そんな彼が出会うのがメラニー・ロランちゃん。
彼女と出会いを通し、オリヴァーは自分を見つめなおしていくのですね。
 
まず、この作品はゲイであることを告白された監督自身の経験が元になっているとのこと。
監督が父親に捧げた作品でもあるのでしょう。
父ハルを演じたプラマーの演技は絶品です。
若い恋人(もちろん男性)とのダンスシーンも可愛い♪
ユアンも、母のことは心に引っかかるものの、父を愛する息子を
少し寂しげに演じていて、とってもいい。
そして、主演の二人を食ってしまう勢いなのが愛犬くんで
その心の声が字幕で表現され、もうウルトラキュートなのですよ。
 
人との出会いにおいて、私たちは誰もがビギナー
先入観などに左右されず、まずは素直な気もちで向き合うのがいいよね。
そこに幸せが待っているかもしれないじゃない。
そんなことを教えてくれる映画でした。
素直にユアンへの愛を呟くワンちゃんは、ある意味お手本的存在(笑)
 
戸惑いながらも父を尊敬し、家族をを愛した監督自身の、深い思いの伝わる
キュートで愛しい作品でしたよ。
ユアンは人を泣かせることのできる役者さんだよね。もっと評価されていいと思うなぁ。