しまんちゅシネマ

映画ノート

スリング・ブレイド


cinema de しりとり 29回目 【す】

今日は『メナース』から繋がって、「す」で始まる映画
ビリー・ボブ・ソーントン監督・脚本・主演の『スリング・ブレイド
知的障害者の男と、孤独な少年との心の交流を描くヒューマンドラマです。
 
スリング・ブレイド (1997) アメリ
監督:ビリー・ボブ・ソーントン
出演:ビリー・ボブ・ソーントンロバート・デュヴァル/ドワイト・ヨーカム/ジョン・リッター/ルーカス・ブラック ナタリー・キャナディ/ジェームズ・ハンプトン
【ストーリー】
母親の浮気現場を目撃し、母とその相手を殺害した知的障害者のカール(ビリー・ボブ・ソーントン)。
25年間の精神病院生活を終え、故郷の町に帰ってきた彼は、そこで父親のいないフランク(ルーカス・ブラック)という少年と親しくなる。
だが少年の母親が恋人の暴力に悩んでいる姿を見た時、彼の中である決意が芽生える...。(allcinemaより)
 
■感想


この作品、そもそもはビリボブが一人舞台用に製作した作品だそうですが
まずは、ビリボブの、カメレオンぶりに驚きますね。
下あごを少し出し、口を結び、背を丸めよたよたと歩く姿は別人28号。
あのしゃべり方にしても、ビリボブが独自に考え出したものだそうで、とってもオリジナル。
しかも、部分的に知的障害があるものの
一夜の宿で与えられた女の子のベッドを汚すことを気遣い、一晩中横にならずに過ごしたり
じっくり物事を観察し、行動に移す粘り強さを備えた、誠実な男であることがわかってきて
キャラクターとしてとても魅力的なんですね。
 
しかし、彼は出会う人ごとに聞かれます。
もう治ったのか? 自分たちを殺したりしないよね」と。
カールは「殺さない。理由がない」と答えるのだけど
これが伏線であることはあきらかで
物語の行き着く先を、案じずにはおれないのですよね。
 
自殺者、殺人者、ゲイ
聖書ではいづれも地獄に堕ちるとされる人間を登場させているけど
果たして彼らは悪人なのか?
カールの振るうスリング・ブレイドは神の采配なのか?
善と悪の境界のグレイさも考えさせられるところです。
 

それでもこの映画が感動できるのは、
少年を守るためのカールの自己犠牲的な愛情に心を動かされるから。
少年と心を通わせる過程で、書き留めておきたいような温かい言葉も多くありました。
ビリボブはこの作品でアカデミー脚色賞を受賞してますね。
ギターの音の美しさも印象的で
流石、カントリーミュージシャンでもあったビリボブらしいというところでしょうか。

とってもいい作品でした。
って、今頃観たんかい!ですよね(笑)
 

次は「」から始まる映画だよん  ε=(ノ・∀・)ノ ドドドド・・ 

 
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