しまんちゅシネマ

映画ノート

チャイナ・シンドローム


cinema de しりとり 32回目 【ち】

今日は『神々と男たち』から繋がって、「ち」で始まる映画
あわやの原発事故に絡む陰謀を描く、社会派サスペンス『チャイナ・シンドローム』です。
 
チャイナ・シンドローム (1979) アメリ
監督:ジェームズ・ブリッジス
出演:ジェーン・フォンダジャック・レモンマイケル・ダグラス/ダニエル・ヴァルデス/ジム・ハンプトン/ピーター・ドゥナット
【ストーリー】
原発を取材中のTVキャスター、キンバリー(フォンダ)とそのクルー(ダグラス、バルデス)は偶然、事故の現場に立ち会うが、上からの圧力によってそのニュースはNGとなる。
そして調査の後、運転を再開した発電所では技師ジャック・ゴデル(レモン)が原発の欠陥を発見していた。
その事を知ったキンバリーは彼の協力を得て、この事件を世間に公表しようとするのだが……。(allcinemaより)
 
■感想
原発事故を描く本作は、1979年の公開から12日目に、スリーマイル島原発事故が本当に起こったという
いわくつきの映画なんですね。
今回、すいぶん前にテレビから録画したものを観たのだけど
映画の前に解説者が、あまりにタイムリーなスリーマイル島の事故に本当に驚いたと
当時の反響の大きさを語っていました。

まず、原発内で起きるあわやの事故のシーンが怖いんだ。。
冷却水の低下とか、核燃料の露出とか、出てくる専門用語がどれもおなじみ~(^^;)
計器の針がそのレベルよりも下がったら・・って、事態が予測できるだけに
めちゃんこハラハラするんですよ、これ。
 
結局メルトダウンは回避できたものの
その後の調査で欠陥が発見され、原発安全神話が壊れるんですね。
ところが、利益を重視し、事実を隠蔽しようとする経営者がいる。
とにかく今の日本人には、とてつもなく身近な作品ですよ。

 
印象的だったのが、ジャーナリズムの力です。
女性ニュースキャスターを演じたジェーン・フォンダが良かったね。
カメラマンのマイケル・ダグラスは、エンドクレジット観るまで彼と分からなかった(^^;)
製作にも関わってるらしいのに、ごめーん。
原発の危険性を訴え続ける技術者ジャック・レモンも熱演でした。
 
ちなみにタイトルのチャイナ・シンドロームとは
もしもアメリカの原発メルトダウンが起こったら、
地球を突き抜けて中国まで行ってしまうという話からきてるんですね。
途中地下水に出会ったら・・ととんでもない原爆の危険が語られるわけですが
地下水と混じって、大量の汚染水となって海に流れ出すだけでも相当怖いし
それが今日本で起こりえる、もしかしたら起きてるかもと思うと、ぞっとします。
 
30年前にご覧になった方も、ぜひ再見してください。リアルに怖いですよ。
でも、ラストはいっそのことバッドエンドのほうがいいかも。
映画的にはちょっと肩透かしに感じます。
って、ヒンシュクですね。すみません