しまんちゅシネマ

映画ノート

ツリー・オブ・ライフ


 
今日は、テレンス・マリック監督・脚本、ブラッド・ピット主演の『ツリー・オブ・ライフ
カンヌでパルムドールを受賞した作品です。
 
ツリー・オブ・ライフ (2011) アメリ
監督:テレンス・マリック
出演:ブラッド・ピットジェシカ・チャステインショーン・ペン
【ストーリー】
1950年代、オブライエン夫妻は3人の息子にも恵まれ、テキサスの小さな町で満ち足りた生活を送っていた。
一家の大黒柱の父親(ブラッド・ピット)は西部男らしく子どもたちに厳しく接し、逆に母親(ジェシカ・チャステイン)がすべての愛情を彼らに注ぎ込んでいた。
一見幸福そうに見える家族の中で、長男ジャックは孤独を感じ……。 (シネマトゥディより)
 
カンヌでパルムドールを受賞はしてるものの、評価は真っ二つで
賞賛するものあれば、ブーイングするものありということは聞いていたし
アメリカで公開になってからも、評価は評家がA-、一般ユーザーはC+。

覚悟して観ましたが・・
やっぱりこりゃ、そうなるわぁという感じです。
 
映画は、テキサスに暮らす、裕福なオブライエン一家の暮らしを描く形ですが
そのテーマは、おそらく、命はどう生まれ、どこにいくのかといった哲学的なものなんですね。
語り部は一家の長男を演じるショーン・ペン
回想の形で、父や母、兄弟と過ごした 幼少時代を振り返ります。
 
ところが、これ、壮大な家族物語が展開されると思った矢先  
映画は思わぬ方向に向かうんですよね。

光がうごめいたかと思うと そこに展開されるのは、地球そして生の起源
どこかの博物館のアイマックスシアターで見たような映像が延々映し出され
それは『2001年宇宙の旅」を髣髴とさせ、美しいのだけど、
正直 「な なんやねん!」なんですよ(笑)
 
だから、終盤になって、ようやく家族の物語に戻ったときには
心底ホッとしたんだよねぇ。

でも、このディスカバリーチャンネル的映像を目にしたおかげで
終盤繰り広げられる家族物語に
悠久の中の「生」を感じずにいられない。

厳格な父との確執、母親の慈しみ、兄との別れ
そういったものが、生命の創造レベルで描かれるというのかなぁ。
父子の確執の消えゆくラストシーンには、涙が止まらなかった。
これは不思議な感覚です。
 

とはいえ、日本でもきっと評価が分かれるだろうと思いますね。
恐竜は可愛かったけどねw
 
ちなみに、この映画の構想は2007年に遡り
ブラピ演じた一家の父親役はヒース・レジャーで交渉が進んでいたとのこと。
観たかったなぁ。