しまんちゅシネマ

映画ノート

『ブラッド・シンプル』リメイク『女と銃と荒野の麺屋』


大映画祭特集 4本目
今回の特集は、受賞作品だけでなく、関連作品にも注目する予定でありまして
今日は、コーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』のリメイク作『女と銃と荒野の麺屋』。
巨匠チャン・イーモウが中国を舞台に描く、時代劇です!
 
女と銃と荒野の麺屋 (2009)中国
監督:チャン・イーモウ
出演:スン・ホンレイニー・ターホン
 
チャン・イーモウ作品は、『あの子を探して』とか『LOVERS』しかまともに観てないんだけど
正直『ブラッド・シンプル』のイメージはないのよねぇ。
いったいどんなリメイクに仕上がってるんだと、興味をもって観てみました。
 
一言、楽しかった~!
 

 
ストーリーは、ほぼオリジナルと同じで
麺屋の妻が従業員といい仲になって、↑主人が二人の殺しを依頼するというもの。
中国らしい、コミカルな味付けでブラックコメディとも言える楽しい作品に仕上がってます。
こんなポスターもあるくらいw         

 
 

 
特記すべきは、圧倒的な映像美でしょうね。
まず、舞台となる中国の荒野の、山肌と空の美しさといったら。
これは『落下の王国』(2006)を髣髴とします。


色彩豊かな衣装の可愛らしさもツボ
これ観ちゃうと、オリジナルはモノクロだったっけ?って思っちゃうほど。
 
『LOVERS』でチャン・ツィイーが見せた美しい舞に相当するのが
麺屋の従業員たちが見せる見事な麺さばきで
エンタメ性あふれるそのシーンには、思わず拍手
北京オリンピックのオープニングを任せられたのは記憶に新しいところだけど
チャン・イーモウの映像的な才能を感じずにいられませんね。
 
さて、スリラー的にどうかというと、これはややあっさり。
オリジナル観たばっかりだったのもあるかもだけど
ハラハラ、ドキドキとまではいかないのは残念なところ。

それでも、しっかりオリジナルを踏襲しながら
キーとなるアイテムが、時代劇らしいものに置き換えられてるのもニヤリだし
大きな気持ちで観れば、オリジナルファンも十分に楽しめるはず。