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映画ノート

黄昏


ビバ!敬老!!!
今日は黄金に輝く湖畔を舞台に、老夫婦と娘をめぐるひと夏の触れ合いを描く作品。
実生活で確執のあったヘンリー・フォンダとジェーンが父と娘を演じた和解のドラマでもあります。
黄昏(1981) アメリ
監督:マーク・ライデル
出演:ヘンリー・フォンダキャサリン・ヘプバーンジェーン・フォンダ/ダグ・マッケオン/ダブニー・コールマン
 
ヘンリー・フォンダジェーン・フォンダのプライベートでの確執というのは
ヘンリーの浮気により、母親が自殺したというもので
それゆえジェーンは弟のピーター・フォンダともども、母の死の真相を知り、
父親を憎むことになったんですね。
そんなジェーンが、父との和解を求め、このドラマに挑んだ。
二人の共演はこれが最初で最後。
ヘンリーはこの翌年亡くなっていて、これが遺作となりました。
 

もうね。親子の確執を知ってこれを観たのもあり
冒頭の黄金色に輝く湖の、美しすぎるシーンからウルウルしちゃいました。
ヘンリー・フォンダ演じるノーマンは元教授。
厳格な父親の元、その愛情を感じられずに育った娘チェルシー(ジェーン)は
父の80歳の誕生日に、久しぶり両親の元を尋ねます。
二人が最初に顔を合わせるシーンのぎこちなさに
こちらまで緊張してしまう思いでした。
チェルシーは恋人とその子供と一緒に来ていて
翌日から恋人とヨーロッパに出かけるんですね。
連れ子となる13歳の男の子ビリーは老夫婦のもとに残され、2週間をともにすごすことに。
ノーマンはビリーと過ごすうちに、娘に接してきた過去の自分の姿を振り返ることになるという話。

和解の過程をビリーとの交流を通して描いているのがいいんですよね。
ヘンリーの妻を演じるのがキャサリン・へプバーン
日々もの忘れがひどくなり消失感にさいなまれる夫を理解し
娘との確執を知りながら、なお深い愛情で夫を包み込む妻を演じてました。
個人的には、その喋り方が好きじゃなかったですが、彼女もこの役で4度目のオスカーを受賞
 
父と娘が、最後に和解するシーンで
ファーストカットの際にヘンリーは思わず泣き出したのだそうです。
観てるほうも完全に実生活の二人が重なり涙を誘いますねぇ。
ヘンリー・フォンダは初のオスカーをゲット
病床にあって授賞式には参加できず、ジェーンが代わりに出席。
受賞のスピーチをYoutubeで検索し見てみましたが、これがまた泣けますね。
 
人生の終焉にある老人の死への思いや、消失感、夫婦愛を描いていて
作品ももちろん悪くないけど、実際の家族の物語があるからこそ
余計に感動を覚える作品だったと思います。
 
授賞式動画貼っておきますね