しまんちゅシネマ

映画ノート

ドライヴ


 
今日からカンヌ映画祭関連の作品を少し。
まずは、ライアン・ゴズリング主演で本年度、監督賞を受賞した『ドライブ(原題)』。
ドライブ/Drive(2011) 
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:ライアン・ゴズリングキャリー・マリガンアルバート・ブルックスオスカー・アイザックロン・パールマン
 
修理工をしながら時にはハリウッドのカー・スタントマンをこなす男、ドライバー(ライアン・ゴズリング)は
強盗の逃走を手助けをするプロのスピード・ドライバーという二つの顔を持つ男。
彼はある仕事を引き受けたことで、犯罪に巻き込まれていくことに・・。。
 

この映画を観終えた時に、「任侠ものっぽい」と感じ、ツイッターしました。
勿論マフィアが出てくる映画というのもあるんだけど
ゴズリング演じるキャラクターの静かでサイコなところと、クライムシーンのグロさが
北野映画に似てるのではないかと思ったんですね。
ま、思ったというのは、私が北野映画を観てないからなんですがw
うわさに聞いた印象からね(笑)
 
とにかく、冒頭の逃走シーンからカッコいい。
ドライバーは必要以上に車をかっとばすわけでもなく、時には静かにパトカーの後ろについたり、
ヘッドライトを消し、トラックの陰に隠れたり。
シャカリキにカーチェイスを繰り広げるよりも、ずっとスリリングで、クールなんですね。
 

これは犯罪ものであると同時に、ラブストーリーでもあって
そのお相手となるのが、キャリー・マリガン
服役中の夫を持つ一児の母であるマリガンが、控えめながら、孤独さを漂わせ、
ゴズリングは、マリガン母子と交流しながら、
それまで見せたことのないであろう笑顔を見せるんですね。
背景をほとんど語らない映画だけど、そのひと時だけが
ドライバーにとっての安らぎの時であることがわかる。
子供と「瞬きをしない」ゲームをするのだけど、
それはラストのちょっとした伏線になってました。
 
主演はそもそも、ヒュー・ジャックマンが予定されていたのそうだけど
ゴズリングが演じたことで、映画の「静」が際立ったと思います。
彼の演じるドライバーのクールでサイコな部分は、ジャックマンだと出せず
映画も、もっとアクションものに傾いていた気がします。
 
最後までゴズリングはドライバーと呼ばれ、役名はありません。
そのことで、ただそのときを生きる孤独な男の刹那感がいっそう際立ちました。

部分的にえらくグロいところがあるので、好みの別れる映画かもしれません。
でも渋くてカッコいいですよ。
音楽や、ファッションが70年代風なのは、ライアン・オニール主演の同タイトルの映画を意識したのかな?