しまんちゅシネマ

映画ノート

アナザー プラネット<未>


 
3日前だったか、NASAが地球にきわめて似た惑星を発見したとのニュースが入りましたね。
そこには生命が存在するに違いない・・
その惑星が地球に接近したらどうなるんだろう・・
なんてことを考えながら、気になっていた『アナザー・アース(原題)』を観てみました。
地球に瓜二つな惑星がぽっかり浮かぶ世界を舞台に、魂の救済を描くSFヒューマンドラマです。
 
アナザー・アース(原題)(2011) アメリ
監督:マイク・カーヒル
出演:ブリット・マーリング/ウィリアム・メイポーザー/ジョーダン・ベイカ
 
ヒロインのローダ(ブリット・マーリング)は宇宙物理学を学ぶ優秀な学生。
パーティの帰り道、地球そっくりの惑星出現のニュースを聴き
運転中の車の窓から空を見上げたローダは、対向車に衝突。
一家の母親と子供を死なせてしまう。
4年の刑期を終え、事故の生存者ジョン(ウィリアム・メイポーザー)の元を尋ねたローダは
謝罪のきっかけを失ったまま、清掃会社の職員といつわり、
ジョンの家を訪れるようになるが・・というお話。
 
この映画、クシシュトフ・キエシロフスキーを尊敬する監督が
ふたりのベロニカ』に案を得て作った作品だそうで、
もうひとつの地球(アース2)というのは、ドッペルゲンガー的もう一人の自分の存在する
パラレルワールドという描き方なんですね。びっくりでしょ 
 
事故によって将来を絶たれてしまったヒロインが
アース2にいるであろう自分に思いを馳せるんです。
そこにいる自分は、どんな人生を送っているんだろうって。
 

罪の意識に苛まれるローダ、家族を失い閉じこもり隠遁状態のジョン
ともに傷を抱えた二人の再生の物語りでもあります。
 
ただ映画自体、明確な答えを与えない描き方なので
観るものの感性で、色々に想像力をかきたてられるのですよ。

もう一つの地球の意味を再生にどうつなげるべきなのか、私には難しかったけど
一つ一つに意味がちゃんと存在する、そういう映画だから面白いと思うし
いつか自分なりに解き明かしてみたいと思える作品でした。
 

地球そっくりの惑星が空に浮かぶ映像が美しく
だんだんとそれが大きくなる様子は衝撃的でもあります。
 
サンダンス映画祭で審査員特別賞受賞
映画界に新たな風を吹き込む存在となるかも。注目ですね。