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映画ノート

ドラゴン・タトゥーの女

スウェーデンの傑作ミステリー『ミレニアム ドラゴンタトゥーの女』のハリウッドリメイクとなる
デヴィッド・フィンチャー版です。


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ドラゴンタトゥーの女 (2011) アメリ
アメリカ 監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ダニエル・クレイグルーニー・マーラクリストファー・プラマー
   ステラン・スカルスガルド

「ミレニアム」という月刊誌の編集長であるジャーナリストミカエルの元に40年前に失踪した少女の捜査依頼が届き天才ハッカー リスベットと協力して、事件の謎を解いていくというお話です。
失踪したハリエットが残した暗号や、依頼者が集めた写真などを糸がかりに真実に近づいていくというミステリーの面白さは健在で変にアクションに頼らない、地道さが魅力の作品ですね。

オリジナルを観てるのもあって、わかりやすかったのは良かったし、面白く観ることができました。
ただ全体的に単調に感じてしまったのはなぜだろう。
すでに結末を知っているせいなのかと、帰ってオリジナルを見直したのだけどやっぱりオリジナルが緊張感もあって面白いんですよね。
生々しい描写に、大げさ気味の音楽でドラマを盛り上げるオリジナルに対し、
フィンチャー版はややあっさり。変ところでグロな描写はあるけどね。

今回はリスベットに『ソーシャル・ネットワーク』のルーニー・マーラが抜擢されたことでも話題になりましたが
ゴスファッションで自分に近づくなオーラ出しまくりのリスベットが捜査を進めるうちにミカエルと互いに仕事の能力を認め合うようになる。
人との係わりがオリジナル以上に苦手なリスベットの描き方にちょっとだけユーモラスな味付け。
時々見せる素の表情が可愛くて、ルーニーのリスベットはオリジナルとは違った魅力がありました。
お身体も綺麗よね。
日本版はベッドシーンに大きなぼかしが入ってると聞いたけど、そっちがよっぽどボケですよね^^;

ミカエルに扮するのがダニエル・クレイグですがダニエルさんは、はっきり言って何演じても同じに見えちゃう(笑)
ジャーナリストなのにボンドなイメージなもんだから、
危険に迫っていく時も百戦錬磨な気がして、あまり緊張を感じないんだよなぁ。
オリジナルのミカエルは、リスベットとHしたあとから、にやけ顔になる人間くさい(単にすけべ?)ところが好きだったので、ダニエルさんにもあれやってほしかったです(笑)

かっこいいオープニングには血が沸きましたが 個人的にはフィンチャー作品、実は苦手気味、、
というか、良さをが理解できない未熟者なので(汗)比べてしまうとオリジナルに軍配かな。
オリジナルはその泥臭さがリスベットの根底にある悲しみとマッチしていた。
ただし、フィンチャー版は過去の幼少時代のフラッシュバックを見せていないわけで
リスベットの心の闇の描き方がそもそも違う。
そうなれば、フィンチャー版は人間不信にあるリスベットの、淡い初恋物語ということもできますね。
ちょっと切ないラストで終わるのも、よい締め方でした。

ルーニー・マーラはオスカー主演女優賞にノミネートの快挙です。