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映画ノート

ミッドナイト・イン・パリ




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てことで、今日は昨年の6月に観たウディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ
パリを舞台に、アメリカ人作家ギルにおきた不思議な出来事を綴るファンタジーです。

アカデミー賞の作品賞、監督賞、脚本賞美術賞にノミネートされましたね~。
一番有力なのは脚本賞でしょうか。
ミッドナイト・イン・パリ(2011)アメリカ     
出演:オーウェン・ウィルソン/レイチェル・マクアダムズ/マリオン・コティヤールマイケル・シーン/コリー・ストール/キャシー・ベイツ


オーウェン・ウィルソン演じるのはハリウッドで脚本家として働くギル。
そこそこ成功を収めていはいるが、彼は制約の多い脚本家よりも
自由に書きたいものを書ける小説家になることを夢見ている。
そんなギルが崇拝するのが、1920年代に活躍した作家たち。
彼らを生み出したパリもまた ギルの最も愛する場所で
婚約者イネス(レイチェル・マクアダムス)との婚前旅行にパリを選んだのも そんな理由からだった。

もうね、冒頭見せるパリの風景が凄~く素敵なのですよ。
川面はまるでモネの絵から抜け出たようだし、
雨に濡れる暮れなずむ街並みの美しさにはため息がでるほど。

ある晩、友人とダンスに繰り出すイネスと別行動をとったギルは何故か道に迷う。
すると、深夜を回ったところで、どこからともなくクラシックな大型タクシーが現れ
ギルは乗客たちに誘われるままに、ある酒場へと同行するのですが、
酒場に集う面々のなんとレトロなこと! これって何?  ってお話ね。

ちょっとネタばれしちゃいますが、ギルが足を踏み入れるのは、彼が愛してやまない1920年代!
そう、これはタイムスリップものなんですよね~。
名だたる小説家や画家たちが こんな風に集っていたのか、と想像するだけでもワクワクでしょ。
勿論まだ彼ら自身が、後世に名を残す大物になるとは知らないわけで
彼らの輝かしい業績を知るギルだけがテンション高し(笑)
そこで交わされる会話が絶妙で、楽しいのですよ。

ウディキャラを演じるオーウェンが、このファンタジーに溶け込んでとてもいい。

ギルが見たのはなんだったの?なんて野暮な説明は一切なしに
不思議でロマンティックなお話に仕上がってます。

旅というのは、何かと自分を見つめなおすきっかけになるもの。
古きを愛し憧れることは、時として現実逃避かもしれない。
けれども、人には一番くつろげる居心地のいい場所というものがあって
それを見つけられたら本当に幸せ。

ウディ作品には苦手意識があったのだけど、これは本当に素敵な作品でした!!
日本公開は5月!