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映画ノート

マージン・コール




世界金融危機に陥る前の24時間を金融マンの視点から描き
アカデミー賞オリジナル脚本賞の有力候補とされている、サスペンスドラマです。
マージン・コール (2011) アメリ
監督: J・C・チャンダー
出演: ケヴィン・スペイシー/ポール・ベタニー/ジェレミー・アイアンズ/ザカリー・クイント / サイモン・ベイカー/デミ・ムーア/スタンリー・トゥッチ

金融関係の話しということに苦手意識からDVDを待った一本でした。
しまったなぁ。これは劇場で観たかった。
本作は2008年に世界を金融危機に巻き込んだ、
リーマンショック発覚の24時間を描くドラマなんですよ。
タイトルのマージン・コールとは、株の信用取引において、追加委託保証金の損失割合が大きくなって、
(金融会社によって50%とかそれぞれに設定)担保力が不足しているという警告を指す金融用語だそうです。
不動産業に関わっていた時期にリーマンショックに遭ってしまったという
監督J・C・チャンダー の異色な経歴が生かされた作品と言えるでしょうね。
冒頭は、ウォール街のある投資会社における、ものものしい大量解雇の風景。
そこで解雇の対象となった金融マン エリック(スタンリー・トゥッチ)が
会社を去る前に、部下の若いアナリスト ピーター(ザカリー・クイント)に
「用心しろよ」と意味深な言葉を残しUSBメモリーを託します。
データを調べ、ことの重要さに気づくピーター。
彼はすぐさま上司に報告。それから怒涛の24時間が始まる  というものです。
劇中、リーマンブラザーズといった取引会社の名前は出てきません。
監督によると、これはフィクションとのこと。
ピーターの上司にポール・ベタニー、その上司にケヴィン・スペイシー
さらにその上司がサイモン・ベーカーで、会社のトップがジェレミー・アイアンズ
初監督作品にこれだけのキャストが集まるのも、脚本の素晴らしさゆえでしょう。

キャストそれぞれのキャラがたっていて、それぞれの立場、仕事への思い、人間性
はたまた金融マンたちの常識はずれな豪華な暮らしぶりまで垣間見せるので
単に倒産を回避するためのサスペンスというだけでない面白さがあります。
キャストの いつもの役柄とは違う「意外性」もいいのですよ。
サイモン・ベーカーなんて毛ヴィンwさんの上司ですよ。
上品な顔してファッ○を連発するし(笑)
とにかく、これは抜群に面白い作品でした!
監督のJ・C・チャンダー、これからも注目ですね。

日本では早くもDVDスルーということなので(汗)、レンタルゴーよろしく!