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映画ノート

【映画】ガイ・ピアース主演『タイムマシン』




今日はガイ・ピアース主演の時空もの。
「タイム・マシーン」の原作で知られるH・G・ウェルズのひ孫にあたるサイモン・ウェルズが監督した『タイムマシン』を観ました。

タイムマシン(2002)アメリ
原題:The Time Machine
allcinemaデータ
 




1890年代に生きる大学教授のアレクサンダー(ガイ・ピアース)は、恋人エマ(シエンナ・ギロリー)に求婚した直後、通りすがりの強盗に襲われ愛するエマを失ってしまう。
悲しみに打ちひしがれたアレクサンダーは過去を変えるべく、タイム・マシーンの製作に没頭。
やがて完成し、過去に戻ってエマと再会を果たすものの、エマはまたも死んでしまいます。

運命を変えられないことを知ったアレクサンダーは、未来にその謎を解く鍵があると思い立ち、今度は未来に行ってみる。
2030年の近未来描写はとても近代的でカッコよく、時代のギャップなど通常の時空ものの面白さを味わえるんですがこの映画それで終わらないんですよね。



その後、アレクサンダーはアクシデント的に80万年後に降り立つことになるんですが、そこは荒廃し、まるで原始時代に戻ったかのよう。
死んだ恋人を取り戻すというロマンチックな展開を期待していたのもあって、はるか80万年後のぶっとんだ世界観と、そこで繰り広げられるアクション活劇に正直面食らいました。
エマの話はどうなったんや~ってね(笑)
でもこれ最後思いのほかうまくまとまっていて鑑賞後感がよかったんですよね。



映画の中にもH・G・ウェルズの名前が幾度か出てきます。
曾おじいちゃんレスペクトの本作は監督の命題でもあったんでしょう。

時代の変遷とともに未来への展望も変わっていく。
近未来SFでもことごとく荒廃した地球が描かれる現在にあって、タイム・マシーンを題材に、未来に希望を託す作りがよかった。

過去は変えるのでなく、思い起こすもの。
しかし過去に学ぶことができなければ、人類に進歩はない。
なにより「私たちは未来を変えることができるんだ」というメッセージが力強く清々しい。

ガイ君は窮地に立たされた状況から踏ん張る役どころが嵌る役者さんですね。
彼ならできるかも と思える勇敢で誠実な主人公を演じていてカッコよかった。

どこかで見たことあるなぁと思いながら最後までわからなかった白塗りの未来人はジェレミー・アイアンズでした(笑)