しまんちゅシネマ

映画ノート

マンハッタン




土地名タイトルシリーズ、
今日はマンハッタンを舞台に揺れる男女の恋の行方を描くウディ・アレンの『マンハッタン』です。
マンハッタン(1979)アメリ
原題:Manhattan
監督:ウディ・アレン
出演:ウディ・アレンダイアン・キートンマリエル・ヘミングウェイメリル・ストリープ
ウディ・アレンが監督、脚本・主演を努める名作『マンハッタン』で、彼が演じるのは、二度の結婚に失敗し、気に入らない仕事を自らやめ、将来にも減り行くヘアーにも不安を感じる42歳。現在交際中の恋人トレイシー(マリエル・ヘミングウェイ)がいるが、なんたって17歳。歳相応の相手を見つけなさいというしかないじゃないか。そんな時、親友の不倫相手のメリー(ダイアン・キートン)と出会い、二人は急速に仲良くなるが・・




アイザックとメリー、この二人の共通点は、将来に不安を抱き、現状に焦燥感を感じているところ。
アパートの物音が気になって仕方ないところも、二人よく似ていた。
だから、大人の街マンハッタンで出会った似たもの同士が、互いに傷を舐めながら心を結んでいく・・・
なーんて話だと勝手に思っていただけど、、ちょっと違ってねw 
思いがけない展開に、私の目がシロクロしちゃったわ(笑)

そもそも、ウディ・アレンって、その風貌でなんでラブコメ?と思ってきたんだけどw
今回彼の秘技を見せてもらった気分。

終盤、彼があることを嘆願する。
小首を傾げ、子犬のような瞳で「ごめん」ってやられたら、もう許すしかないじゃない。
「なんじゃそれ~!?」と思いながらも、なんかニマニマしてしまう自分がいたもんな。
大きな間違いなんじゃ?と不安は感じるものの、後は野となれ山となれ。
恋愛なんてどう転ぶか分からないんだし、自分にないものを持つ相手とデコボコ部分を埋めあうのもいいかもしれないね。うん。




雨の打つ窓や、橋を臨む夜明けの公園等、陰影を生かしたモノクロの映像の美しいこと。
ところどころ会話がミュートとなり、クラシカルな音楽で見せるシーンは、往年のサイレント映画の趣
エンディングには古典の名作を観終わったような胸の高鳴りがありましたよ。

マンハッタンをひた走るウディ、まだ若かったのね。