しまんちゅシネマ

映画ノート

アメリカン・ハッスル




デヴィッド・O・ラッセル
監督の新作『アメリカン・ハッスル』を観て来ました。
アメリカン・ハッスル(2013)アメリ
原題:American Hustle
監督:デヴィッド・O・ラッセル
出演:クリスチャン・ベイルブラッドリー・クーパーエイミー・アダムスジェニファー・ローレンスジェレミー・レナーロバート・デ・ニーロ
日本公開:2014/1・31

1970年代後半、アトランティック・シティのカジノ建設をめぐる汚職を暴くため、FBIがおとり捜査を行い、多数の逮捕者を出すに至ったアブスキャム・スキャンダルというのをご存知でしょうか。
特記すべきは、その際FBIがプロの詐欺師をインフォーマーとして利用したらしいこと。本作はその事件の一部をベースに、FBIと政治家、詐欺師とその家族らの攻防を描くフィクション映画であります。



 
 FBI捜査官リッチーにブラッドリー・クーパー。リッチーは詐欺師アーヴィン(クリスチャン・ベイル)とその恋人シドニーエイミー・アダムス)に、自由と引き換えにおとり捜査への協力を依頼するんですね。言わば詐欺師版『グッドフェローズ』。汚職者たちを追い詰めていくドタバタも面白いですが、本作の見所は、普段と違う姿の役者たちの絶妙なアンサンブルにあるでしょうね。

 まず、どしちゃったのなクリスチャン・ベイル(笑)
でぶっちょの醜いお腹といい、バットマンブルース・ウェインと別人過ぎる
冒頭、鏡の前で髪をセットする姿には爆笑ですから。
鳥の巣リーゼントのジェレミー・レナーは、誰にも好かれる政治家
おばさんパーマ風のブラッドリー・クーパーはいかれたFBI捜査官。
髪型と70年代のファッションのいけてないぶりが笑える。監督、今回は完璧に男性陣で遊んでます。




女性陣はまだカッコいいですが、胸半出しだしファッションのエイミー・アダムスも普段と違うよねぇ。
アーヴィンの妻を演じるのはジェニファー・ローレンス
欲深くいかれた面々の中にあって、はすっ葉だけど純な彼女は一服の清涼剤。
喜怒哀楽の表情豊かで見ていて飽きないし、掃除しながら踊る姿も最高でした。
出番は少ないものの、一瞬で周囲の空気を凍りつかせるロバート・デ・ニーロもさすが。しかもネタ含みw

しまいには誰が誰を騙しているのか分からなくなるところも、終わってみれば痛快で、
ラストはほのぼのでした。70年代の音楽に詳しいともっと楽しめたはず。
でもデヴィッド・O・ラッセル監督の笑いと純愛のセンスはやっぱり好き!