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映画ノート

【映画】マジック・イン・ムーンライト



マジック・イン・ムーンライト(2003)イギリス、アメリ
原題:Magic in The Moonlight
日本公開:2015/4/11
映画.comデータ  

あらすじ
英国人マジシャンのスタンリーはニヒリストで毒舌家だが、天才的なマジックの腕前で人気を博していた。ある時、幼なじみのハワードから、ある大富豪が入れあげている米国人占い師の真偽を見抜いてほしいと依頼される。魔法や超能力など存在しないと信じるスタンリーは、ペテンを見抜いてやろうと自信満々で噂の占い師ソフィのもとへ乗り込むが・・

感想
不思議な霊能力を発揮する謎の女とその嘘を暴こうとする天才マジシャンの駆け引きをコミカルに描くウディ・アレンの新作ラブコメです。


コリン・ファース演じるスタンリーは、中国人に扮しマジックを展開する人気マジシャンですが、スタッフの些細なミスも許せずイライラ怒鳴り散らすいけすかない男。
まぁ、それも彼が努力家で完璧を求めるゆえのこと。だからスタンリーはソフィー(エマ・ストーン)の「超能力」の種や仕掛けを暴かないと気がすまないわけね。

ところが、はじめて会ったソフィーが、なんでそんなこと知ってるんだという事柄をペラペラと話すからさぁ大変。ソフィーの能力は本物なのか?どうする、スタンリーという話。

ウディ・アレンは『ミッドナイト・イン・パリ』にも登場する20年代がお気に入りなんだろうなぁ。
独特の言い回しで語られる早口の台詞や音楽がコミカルな無声映画のようなリズムを生み、南仏のロケーション、クラシックカーや衣装、調度品といった小道具も効いて小じゃれた映画に仕上がってます。



流石に上手いと思うところだけど、小手先で気軽に撮ったという気がしなくもなく
やや強引なストーリーも賛否が分かれるところかな。

でも、狭い世界でトップに立とうとガチガチになっていた人間が、自分の能力を超えたものの存在を知って、逆に心の負担を軽くしたり、自分を見つめることになるのは凄く理解できるし
ドタバタな展開の中、ところどころリアルな人間心理が描かれているのがいい。

柔らかいドレスに身を包んだエマ・ストーンがキュートだし、最初は嫌なやつだと思っていたコリン・ファースも終盤は彼らしい誠実さと可愛らしさを感じさせてくれてホッとする。

展望台から見えたあの光景はシモネタなのか?(笑)

ウディもまだまだ若いなと感じさせてくれる一本。