しまんちゅシネマ

映画ノート

ヒューゴの不思議な発明




【昨年12/2に書いた記事の移動です】
原作はブライアン・セルズニックの冒険ファンタジー小説ユゴーの不思議な発明』。
原作を知らないのでなんとも言えないんだけど、映画はファンタジーではないんですよね。
そして『ヒューゴの不思議な発明』という邦題にも「??」。
ちなみに映画の原題はただの『Hugo』
ヒューゴの不思議な発明(2011) アメリ
監督:マーティン・スコセッシ
出演:エイサ・バターフィールドクロエ・グレース・モレッツベン・キングズレージュード・ロウ
クリストファー・リーサシャ・バロン・コーエン
1930年代のパリ。
父親(ジュード・ロー)の残した壊れたからくり人形とともに
駅の時計塔に暮らす少年ヒューゴ(エイサ・バターフィールド)は、
ある日、修理に必要な部品を調達するため、駅構内にある玩具屋の玩具を盗もうとし
店の主人ジョルジュ(ベン・キングズレー)に、人形の修理法が細かく記された
父の形見の手帳を取り上げられてしまう。
やがてジョルジュの養女イザベル(クロエ・グレース・モレッツと知り合ったヒューゴは
イザベルの協力を得て、手帳を取り戻そうとするが・・。

主人公が子供ではあるけど、決して子供向けの作品ではありません。
公開前に、あまり宣伝もしていなかったためノーマークだったのに
大感動のすばらしい作品でした。

からくり人形修復を目指す冒険は、ヒューゴを人形にまつわる壮大な秘密へと導きます。
そして、それはある人物の心に固くかけられた鍵を開ける冒険でもあったのです。

近年、スコセッシが古い映画の修復に努めているというのは何かのDVDのCMの中で、彼自身が語っているのを聞いたことがあるけど
古い映画をデジタル化し修復するのは、美しいものを残したいから。
映画の歴史を辿り、古い映画の素晴らしさを教えてくれる本作は、
映画愛に溢れる、スコセッシの集大成とも言える作品でしょう。
3Dという新しい映画技術で描いているところにも、監督の意図を感じるところで
寄しくも、これは宿敵『アーティスト』に通じるものがあるんですよね。

からくり人形を動かす鍵がハート型なのも、なんかいいよね~。

駅構内を取り締まる足の悪い警官役でヒューゴの宿敵となるサシャ・バロン・コーエンと獰猛な犬のコンビがユーモラス。
レトロな駅構内の人々にも、群像劇的に物語を与えているのも映画的で素敵です。
一瞬だけどスコセッシ自身が登場するシーンがあるのでお見逃しなく。

まもなく今年のアカデミー賞が始まります。
これ獲って欲しい~。