しまんちゅシネマ

映画ノート

マイケル・コリンズ







原題:MICHAEL COLLINS
【ストーリー】
1916年、アイルランドの革命軍はイギリス軍の強大な軍備の前に敗北。逮捕された兵士コリンズは釈放後、独立運動の新しい担い手としてゲリラ活動に精を出す。彼の強力な指導によって、英国は苦戦を強いられた。やがてコリンズは英国と休戦協定を結ぶが、ここで結ばれた条約をめぐってアイルランド軍は分裂し……。
今月のキーワード「アイリッシュ」ということで
今日はアイルランドの伝説的な革命の闘士マイケル・コリンズの半生を描く本作を。

長年のイギリスの支配からの独立を求め、ダブリンで
イースター蜂起が起きたのが1916年。
指導者デ・ヴァレラ(アラン・リックマン)が投獄され不在の中、独立軍を率いたのがマイケル・コリンズリーアム・ニーソン)。
やがて彼らのゲリラ運動に手を焼いたイギリスが休戦を求め英愛条約を提示するのが1921年
ところがそれはイギリスへの忠誠とアイルランドの分割を謳うもので、革命家たちの求める真の独立ではなかったことから
彼らの中で分裂が起きるわけなんですね~。
映画はIRAの歴史とともにある、独立運動と内戦の推移を描くものではあるけれど
細かいところで史実と異なっていて、映画のためのフィクションとなってる部分もあるとのこと。

コリンズを演じたリーアム・ニーソンは、カリスマ性のある若き闘士を好演。
同じ組織で同じ目的をもって戦ってきた仲間と、敵として戦わなければならない悲しみも
いっぱいに表現してくれました。

映像はかなりの迫力で、想像以上に大作でした。
アイルランド人監督のニール・ジョーダンにとって、アイルランドの歴史を語ることは
生涯の命題でもあるのでしょう。
リーアム・ニーソンはじめ、出演者の多くがアイルランド人で固められていたのも印象的。
映画を観て思うのは、アイルランド愛国心の深さと戦いの歴史の悲しさです。
アイルランド全統一までは完全な平和と言えないのかな。
それでも条約を受け入れたコリンズが劇中、今ある条件の中で平和に生きる術を模索すべき
というようなことを言っていたのが心に残りました。監督の思いでもあるのかな。