しまんちゅシネマ

映画ノート

ディヴァイド

近日公開作品の中で気になった作品『デイヴァイド』を観てみました。
突然爆撃を受けたNYで、地下シェルターに逃げ込んだ男女9人の姿を描くシチュエーションスリラーです。

blog_import_566b9db5c233a.jpeg

ディヴァイド
2011年(アメリカ)
原題:The Divide
監督:ザビエ・ジャン
出演:ローレン・ジャーマンマイケル・ビーンマイロ・ビンティミリアコートニー・B・バンスアシュトン・ホームズロザンナ・アークエット、イバン・ゴンザレス、マイケル・エクランド、アビー・シックソン
【ストーリー】
ニューヨークが突然の爆撃を受け、壊滅状態に陥る。男女9人が地下シェルターに逃げ込み生き延びるが、地上の建物が崩壊したことで出入り口がふさがれ、閉じ込められてしまう。水と食料はわずかしかなく、絶望的な状況の中で9人は互いに憎悪や疑心を募らせていく……。(映画.comより)


終末期ホラーというべき作品でしょうね。
突然の閃光とともに、NYは爆撃を受け、
建物の崩壊で出口を塞がれた地下シェルターの中、男女9人がサバイバルを強いられます。
爆撃を仕掛けてきた相手が誰なの、外がどうなっているのかも判らない。
次第に被爆による症状も見え始めるという極限状況下で
彼らはモラルを失い、シェルター内では醜悪なエゴが渦巻き始めるんですね。

こうなったら地位や職業も関係ない。
理性を失った本能が、メンバーの中で弱いものを精神的、肉体的に攻撃するという
人間の負の部分をこれでもかと見せるわけですよ。
リアルだとは思うものの、段々に嫌気が差してきます。
二人の女性の名前で、一人がマリリン(ロザンナ・アークエット)、
方やイヴ(ローレンス・ジャーマン)っていうのも
名前に役柄を込めるという意図があったのでしょう。
マリリンは不本意でしょうけど。。

blog_import_566b9db75bef6.jpeg


これまで、多くのパニック映画で描かれる終末の世界は
どこか人間らしさに誇りを感じさせてくれるものが多く
結果的に映画的感動を得られるものも多かったんですが
そんなものも幻だと言わんばかりの作風は、ある意味チャレンジャーですよ。
911を経験したニューヨーカーには勿論のこと
日本人にも厳しい映画ですね。

ただ、冒頭とラストの見せ方はよかった。
特に終末の世界観にゾッとするラストシーンの映像は見るべきものがありました。
あと、人は人を簡単に殺せないよね、って思えるところはよかった。

SFとか戦争パニック映画のようなものを期待せず
あくまで希望のない世界で繰り広げられる、サイコサスペンスものとして観るのが正解です。

日本公開は6/9~

★★★