フランス映画未公開傑作選『刑事ベラミー』
今月のテーマ「映画の國名作選V フランス映画未公開傑作選」のっかかり企画から
今日はクロード・シャブロルの遺作になった『刑事ベラミー』。
これも旧ブログで紹介したんですが、今回再見したので記事に手直しをしています。
刑事ベラミー
2010年(フランス)
原題:Bellamy
監督:クロード・シャブロル
出演:ジェラール・ドパルデュー、クロビス・コルニアック、ジャック・ガンブラン、マリー・ブネル、バイナ・ジョカンテ、マリー・マテロン、アドリエンヌ・ポリー、イブ・フェアホーフェン、ブリュノ・アブラム=クレメール、ロドルフ・ポリー【ストーリー】
休暇中で妻と穏やかな毎日を過ごしていたベラミー警視は、ノエル・ジャンティと名乗る怪しい男から呼び出され、モーテルで男と会う。ノエルは1枚の写真をベラミーに見せ、写真に写る男を殺したと告白するが、その男はノエルと瓜二つだった。不審に思ったベラミーがノエルの身辺を調べていくうちに、世間を騒がせた保険金詐欺事件の意外な真相へとつながっていく。(映画.comより)
冒頭、ユラユラとしたカメラの視線は海沿いにそそり立つ丘の墓地をめぐる・・
遺作にしてお墓から始まるとは、、シャブロルはすでに死を意識してたのか などと思っていると
カメラは海岸に視線を移動し、そこに投げ出せた車とハンドルを握った黒焦げ死体を映し出す
とまぁ、なんとも斬新なオープニングで掴みはOK。
舞台は変わり、
南フランスで愛妻と休暇を過ごす刑事ベラミーの元に
「人を殺したかもしれない」と語る不審な男から連絡があり、ベラミーは話を聞くことにした。
南フランスで愛妻と休暇を過ごす刑事ベラミーの元に
「人を殺したかもしれない」と語る不審な男から連絡があり、ベラミーは話を聞くことにした。
調べてみると、男は世間を騒がしている保険金殺人で死んだはずの男!
じゃ、あの黒焦げ死体は誰? というミステリーです。
刑事ベラミーを演じるのは、シャブロルとは最初で最後のコラボとなったジェラール・ドパルデュー。
ベラミーは保険金殺人の渦中にある男の話を聞き、事件の真相に迫っていくのだけど
映画はベラミーの日常を描き、
徐々にベラミーと弟の確執を浮き彫りにするという二重構造になっているんですね。
保険金殺人の事件では「一人の男の死」という事実がある
けれども、その死の真相は意外なところにあって
「結果」をどう裁くのかということも問題になる。
シャブロルの他の映画がそうであるように、本作も謎解きに重きを置くのではなく
登場人物の人間模様を楽しむ手法。
表から見えることだけが真実ではないという見せ方も面白いところ。
異母兄弟であるベラミーと弟は、血の繋がりがあるのに、
互いを受け入れられない深い溝がある・・・。
事件を温情で解決しながら、自らの問題を解決することは出来なかったべラミー。
冒頭にリンクするラストシーンに切ない余韻を残しました。
思えば登場人物の誰もが、身近に救うべき者がいるのに気づかずにいるというのも
皮肉な描き方ですね。
ベラミーの妻を演じたクロビス・コルニアックが美しく魅力的でした。
奥さんにぞっこんのベラミーはクロビスの胸やお尻を触ったりで役得。
でもクロビスはもはや母親的存在だったかも。
それにしてもドパルドュー太りすぎでしょ。
電話やドアベルがミニチュアに見えたし(汗)
ちょっと動いただけで軽く喘鳴がしたり、咳をしたり、、これで犯人を追うシーンがあったら
確実に心臓発作で死んでますね。
シャブロルとの撮影シーンは楽しそう。
余談だけど、劇中、市が劇場を買い取って『狩人の夜』を上映してるという台詞があるの。
きっと映画に関連させてるんだろうなと思いながら、監督の意図を読めなかったのが残念。
わかる方教えてください。
★★★★
じゃ、あの黒焦げ死体は誰? というミステリーです。
刑事ベラミーを演じるのは、シャブロルとは最初で最後のコラボとなったジェラール・ドパルデュー。
ベラミーは保険金殺人の渦中にある男の話を聞き、事件の真相に迫っていくのだけど
映画はベラミーの日常を描き、
徐々にベラミーと弟の確執を浮き彫りにするという二重構造になっているんですね。
保険金殺人の事件では「一人の男の死」という事実がある
けれども、その死の真相は意外なところにあって
「結果」をどう裁くのかということも問題になる。
シャブロルの他の映画がそうであるように、本作も謎解きに重きを置くのではなく
登場人物の人間模様を楽しむ手法。
表から見えることだけが真実ではないという見せ方も面白いところ。
異母兄弟であるベラミーと弟は、血の繋がりがあるのに、
互いを受け入れられない深い溝がある・・・。
事件を温情で解決しながら、自らの問題を解決することは出来なかったべラミー。
冒頭にリンクするラストシーンに切ない余韻を残しました。
思えば登場人物の誰もが、身近に救うべき者がいるのに気づかずにいるというのも
皮肉な描き方ですね。
ベラミーの妻を演じたクロビス・コルニアックが美しく魅力的でした。
奥さんにぞっこんのベラミーはクロビスの胸やお尻を触ったりで役得。
でもクロビスはもはや母親的存在だったかも。
それにしてもドパルドュー太りすぎでしょ。
電話やドアベルがミニチュアに見えたし(汗)
ちょっと動いただけで軽く喘鳴がしたり、咳をしたり、、これで犯人を追うシーンがあったら
確実に心臓発作で死んでますね。
シャブロルとの撮影シーンは楽しそう。
余談だけど、劇中、市が劇場を買い取って『狩人の夜』を上映してるという台詞があるの。
きっと映画に関連させてるんだろうなと思いながら、監督の意図を読めなかったのが残念。
わかる方教えてください。
★★★★