しまんちゅシネマ

映画ノート

『月の輝く夜に』 殿堂入りのロマンティック・コメディ

今日はロマンティック・コメディ。
ブルックリンに暮らすイタリア系アメリカ人の人間模様を描く『月の輝く夜に』を再見しました。
これは好きすぎる。自分の中で殿堂入り決定!の一本です。




月の輝く夜に
1987年(アメリカ)
原題:Moonstruck
監督:ノーマン・ジュイソン
出演:シェールニコラス・ケイジオリンピア・デュカキス
ビンセント・ガーディニアダニー・アイエロ

7年前に事故で夫を亡くし、37歳になったロレッタ(シェール)は
ジョニー(ダニー・アイエロ)からプロポーズされ、これを快諾、
一ヵ月後の挙式を約束させる。
ジョニーは危篤の母に会いに故郷シシリーへと飛び
ロレッタは結婚式にぜひ出席して欲しいとのジョニーからの伝言を伝えるべく
数年来絶交関係にあるジョニーの弟ロニー(ニコラス・ケイジ)の元へ出向く。
ところが、不運を嘆くロニーを諭すうち、なぜかベッドをともにしてしまい・・・
というお話。

この映画のキーワードに「不運」というのがあるのね。
夫を亡くしたロレッタは、不運から抜け出したいとの思いから
ジョニーとの結婚を決める。
そんな彼女は、自分の不運を兄のせいにし荒んでいるロニーをほっとけない。



ロレッタは、決してロニーを励ましたりはしない。
けれども、ロレッタとの出会いで、ロニーは片平なぎさの呪いから開放され
(↑わかる人にしかわからない喩えで申し訳ないw)
優しく情熱的な青年へと変わっていく。





綺麗になっていくシェールも素敵でね。
全ては満月のマジックだよなぁと思えるファンタジックさもいい。


イタリア移民たちの大らかな日常
家族の悲喜こもごもを見つめる視線の優しさ
ロレッタのママの作るエッグトースト
(本物の映像は最後の動画の中にあります)
犬たちを連れて夜の散歩に繰り出す
お爺ちゃんのシュールさには思わず笑ってしまうし。
数え上げたらキリがないほどに、好きなシーンに溢れている。






不運はいつしか運命という名の素敵な出会いに変わっていく。
オペラや、カンツォーネといった音楽も心地よく、
温かさに自然と涙してしまう、最高に魅力的な作品です。
シェールはアカデミー主演女優賞受賞。




★★★★★