しまんちゅシネマ

映画ノート

フライペーパー! 史上最低の銀行強盗

ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』の脚本家が
ふたたびコンビを組んだ、クライムコメディ。
どうりで邦題が(笑)






フライペーパー! 史上最低の銀行強盗
2011年(アメリカ/ドイツ)
原題:Flypaper
監督:ロブ・ミンコフ

出演:パトリック・デンプシーアシュレイ・ジャッドティム・ブレイク・ネルソンマット・ライアン
プルイット・テイラー・ヴィンスメキー・ファイファーオクタヴィア・スペンサー



とある銀行に勤めるケイトリンは、客としてやってきたハンサムだがちょっと変わった男性トリップに応対していたところ、2組の強盗が同時に銀行を襲い、職員や他の客とともに人質として閉じ込められてしまう。銀行強盗たちはトリップの仲介でそれぞれ金庫とATMの金を分け合うことになるのだが(映画.comより)

週末、さりげなく観ていたら面白くて結構引き込まれた作品です。

閉店間近の銀行で、2つの銀行強盗が同時に発生。
ひとつはハイテク完全武装で金庫を狙う3人組プロ集団、
ひとつはATM狙いのチンピラ2人組み。
行員と顧客を人質に、二つのグループはそれぞれの仕事を進め、丸く収まるはずが
何故か次々に人が死んでいく。

銀行内で繰り広げられる殺人事件の謎を解き明かそうと奮闘するのが
パトリック・デンプシー演じる顧客のトリップ。
数字に馬鹿に強いけど、どうやらアスペルガーか何かを抱えていて
時々パニック障害を起こす男。彼が犯罪なのか、
はたまた単なる風変わりな天才なのかわからない。
実際登場人物の全てがなんだか怪しいところが、この映画のお面白さなんですが
狂言回しであるデンプシーの飄々としたキャラがなんだか可笑しいw




銀行の窓口係りに相変わらず美しいアシュレイ・ジャッド
『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』のオクタヴィア・スペンサー

犯罪者や行員たちのキャラを立たせ、
面白おかしい密室群像劇的に見せながら
黒幕は誰かを解いていくミステリーに仕上げているのが秀逸です。

台詞もいちいち可笑しくて笑いどころもあったけど
日本語でこの可笑しさを表現するのは難しいかなぁと思う部分もあるのね。

例えば、ハイテク金庫破りのメンバーを演じるイギリス人俳優マット・ライアンが、
「Fuckin' Cunts」と言うと、デンプシーが「アメリカではCuntsは使わないだよ!」と切れる。
確かにイギリス映画ではよく聞くけど、アメリカでは聞かないよなと笑えるんですが
この手のジョークは翻訳家泣かせでしょうね。

アシュレイとパトリック・デンプシーのプチロマンスも絡めながら
二転三転で見せる痛快犯罪コメディ。
思わぬ拾い物感ありです。

★★★☆