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映画ノート

トム・ハーディ主演『嵐が丘』

今日はトム・ハーディエミリー・ブロンテの文学作品に挑戦した『嵐が丘
これまで、ウィリアム・ワイラールイス・ブニュエルなど名監督により映画化され、
日本でも88年に松田優作主演で撮られてるんですね。
古くは名優オリヴィエ・ローレンスが演じたヒースクリフトム・ハーディが演じた
2009年イギリスTVM版となる本作は、最新ということになります。






嵐が丘
2009年(イギリス)
原題:Wuthering Heights
監督:コーキー・ギェドロイツ
出演:トム・ハーディシャーロット・ライリーアンドリュー・リンカーンサラ・ランカシャー
バーン・ゴーマンロザリンド・ハルステッドレベッカ・ナイト


ヒースが咲き乱れる英国ヨークシャーの丘、“嵐が丘”と呼ばれるその丘に住む農場主アーンショーには息子ヒンドリーと娘キャシーがいた。ある日アーンショーはジプシーのみなし子を連れ帰ったアーンショーは少年をヒーススクリフと名づけ可愛がる。キャシーと兄妹のように育り、やがて愛し合うようになる二人だったが、父の死後、ヒンドリーはヒースクリフを下男として冷酷に扱いはじめ・・・。

おそらく私がストーリーを記す必要もないくらい有名なお話だろうと思うんですが
このヒースクリフという主人公は、名家に養子としてもらわれ、そこの娘と愛し合うようになるも、
結局引き裂かれ、その恨みで、一家に復讐を果たそうとする男で
文芸品の主人公らしからぬ、一種悪人な役どころなんですね。

ヒンドリーにより下男のように扱われ始めたヒースクリフに不安を覚えたキャシーが、
由緒正しいリントン家のエドガーに求婚されよろめいたことから、
ヒースクリフはキャシーさえも呪うことになる。
結局2人とも、互いにこれ以上はないというくらいに愛し合ってるのに報われない。
なんとも悲しい物語でした。





初っ端からハーディが乱暴なロン毛で登場し引きますが(笑)
時間軸を交錯させ見せる構成から、
何故彼がこんな人間になったのかがわかってくる。
若く美しいヒースクリフが、その恨みにより醜い中年男になってしまう
その変貌を演じきったハーディは、やはり上手い役者ですよ。

キャシーを演じたシャーロット・ライリーとは、実生活で恋仲になり、その後婚約。
前の記事で紹介した赤ちゃんは、実は元カノとの間にできた子供なんですが
今はこのシャーロットさんと育ててるんだそうです。

ま、そんなこんなで、キャシーを抱くハーディの本気愛が伝わる作品でもありますね。
キャシーに向ける視線にキュンとしてしまいましたもの。
ロマンスとホラーとも言える復讐譚の融合で見せる名作。
たまにはこんなクラシックもいいですね。

★★★★