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映画ノート

【映画】『クライム・ヒート』トムハとわんこに萌え死に!

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シッチェス映画祭特集お休みして、今日は楽しみにしていたトム・ハーディ新作の紹介を。
クライム・ヒート(2014)アメリ
原題:The Drop
監督:ミヒャエル・R・ロスカム
出演:トム・ハーディジェームズ・ガンドルフィーニノオミ・ラパスマティアス・スーナールツ
日本公開:
ブルックリンでギャング上がりのマーヴ(ジェームズ・ガンドルフィーニ)が経営する小さなバーは
マフィアの裏金が一時的に集められる集金所“ザ・ドロップ”として機能しており
マーヴのいとこのボブ(トム・ハーディ)がバーテンダーをしながら仕事を手助けしていた。
あるとき覆面の強盗に店の金を盗まれたことから、マーヴとボブはトラブルに巻き込まれていく・・



デニス・ルヘインによる短編小説「Animal Rescue」の映画化
ルへインが脚本も手がけ、『闇を生きる男』のミヒャエル・R・ロスカムがメガホンをとったクライムサスペンスです。

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ふふ、ハーディ好きにたまらない一本でした!
ハーディ演じるボブは黙々と仕事をし、寡黙で朴訥とした男。
バーテンダーなのでかっこよくカクテルを作ったりするのかと思いきや、
そんな小じゃれた店でもなく、せいぜいウォッカを注ぐ程度。
それよりも店に持ち込まれる闇の金を受け取り処理する姿の方が華麗ですねw
本作が遺作になってしまったガンドルフィーニとのやり取りにユーモアがあって
ゲラゲラではないけれど、ニマニマと笑ってしまった。


孤独に生きるボブが出会うのが仔犬のピットブル。
怪我をしてトラッシュ缶に捨てられたこの子を拾い、その際に出会ったナディア(ノオミ・ラパス)と
仔犬を介しての交流が始まります。
ネットでも話題ですが、そもそも犬好きのハーディが「はじめてのワンコ」状態で
ロッコと名づけた仔犬に不慣れながら愛情を持って接する様子がマジたまらん。
ロッコがお洒落な犬じゃなく、素朴でキュートなピットブルなところがまたよくて
ボブとロッコ セットで萌え死にそうになりましたから。

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そんなキュートな面を見せてくれる一方で、映画は次第に危険度を加速させていく。
これ以上は書けませんが、トムハの素朴さと肝の据わった内面の怖さとのギャップが素晴らしく
映画の質を思いっきり高めてます。
トムハの魅力を最大限引き出した監督に感謝。

裏社会に生きることの無常さに複雑なものが残るのものの
最後に少しだけ安らぎを感じさせてくれるのは、原作者のこれまでの映画化作品『ミスティック・リバー』や『ゴーン・ベイビー・ゴーン』に通じるものがありますね。
本作が遺作になってしまったガンドルフィーニは顔色が優れず、息遣いの荒さにも
体調の悪さを感じ見ていて辛かった。
最後まで万全に演じられていたらきっともっと見せ場も用意されていたのではないかな。
でもしがないヤクザもんで締めるのもギャンドルちゃんらしいのかもしれない。
エンドロールの追悼の文字にまたもウルル。お疲れ様でした。

色々語りたいけど語れずもどかしいですが
あとになってあれもこれも伏線だったなと思える脚本、演出もうまく、今のところIMDbでも8.0の高評価。
日本上陸はいつかな。